
寄付金付きのリフト券「POWチケット」、2025-26シーズンは北海道・東北・関東にも拡大!全国11スキー場で導入
リフト券の購入金額の一部がスキー場の「ゼロカーボンやサステナブルな取り組み」への直接的な支援につながる寄付金付き「POWチケット」が、2025-2026シーズンは全国11か所のスキー場に拡大して展開されます。
事前公開となっている寄付金の使用用途も発表。気候変動に向き合うスキー場と滑り手の具体的なアクションに変えたい思いが、スキー場のサステナブル化を促進しています。
スキー場のサステナブル化を直接応援!気候変動から冬を守る
地球規模で懸念されている気候変動は、スキー場にも大きな影を落としています。
そのような中で、「大好きなスキー場でこれからも滑り続けたい」「気候変動から冬を守るために何かアクションしたい」と考えるスキーヤー・スノーボーダーがスキー場のサステナブル化への取り組みを直接応援できる仕組みが、昨シーズンからスタートした「POWチケット」です。
POWチケットは、通常のリフト券に300円〜1,000円の寄付金額が上乗せされていて、リフト券購入時に選択できます。寄付金は、全額が各スキー場のゼロカーボンやサステナブル化にあてられます。
“グリーンなスキー場”を目指すプロジェクトサイト https://protectourwinters.jp/sustainableresort/
これからはじまる2025-26シーズンは、前年の2024-25シーズンから新たに、名寄ピヤシリスキー場(北海道)、網張温泉スキー場(岩手)、かたしな高原スキー場(群馬)、戸隠スキー場(長野)の4か所のスキー場が導入を決定。昨シーズンから継続する7か所とあわせて、全国11か所5都道府県のスキー場での展開となり、滑り手の選択肢を広げます。
導入されるスキー場では、スキー場運営にかかる電力の再エネ切り替えや、照明のLED化、適切な森林整備による二酸化炭素吸収量の増加、生ゴミを分解しCO2削減効果を見込める処理機の導入など、スキー場ごとに定めた取り組みが進められていきます。
寄付金の使途は事前に公開され、シーズン終了後には寄付額と成果を開示します。2024-25シーズンは、のべ1,196人のスキーヤー・スノーボーダーに支援され、寄付総額は80万7,700円となりました。各スキー場の成果の詳細は、以下のリリースで発表されています。
各スキー場の取り組みと成果報告
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000131082.html
【アメリカで生まれ、世界に広がるPOW】
2007年、気候変動が雪山に大きな影響を与えることに危機感を抱いたプロスノーボーダーのJEREMY JONESが仲間たちとともに米国でPOW(Protect Our Winters)を設立。2025年現在世界16カ国で活動を展開しています。
日本では2019年からスノーボーダーの小松吾郎氏を中心に、POW JAPANの活動がスタート。「行動する仲間たちを増やす」「スノータウンのサステナブル化を促す」「市民の立場から政策に働きかける」の3つを軸に、自然を愛する日本のスキーヤー・スノーボーダーたちと共に、気候危機から「冬を守る」ムーブメントを広げています。
スキー場の取り組みを紹介!
かたしな高原スキー場では、調理で出た野菜クズや残り物などを肥料化して、同社がスキー場の麓で運営するミッフィー農園で使うコンポストの導入を予定。集まった寄付金と同額をスキー場が拠出して、地域の子どもたちやPOWチケット購入者も参加できるコンポスト作りのイベントを計画しています。

北海道で初導入となる名寄ピヤシリスキー場では、持続可能な取り組みの最初の一歩として、同スキー場に来場した全てのゲストが利用する、第一ペアリフトの2025年12月使用分電力を再エネ電力に切り替えます。

2025-26シーズンに60周年を迎える網張温泉スキー場では、2026年1月12日の“スキーの日”に「網張再エネ100チャレンジデー」を開催予定。全リフトの当日使用電力を再エネに切り替える挑戦を、来場者と積極的に共有します。

戸隠スキー場は、高い排ガス規制に対応した圧雪車の導入、一部リフトを再エネ電力に切り替え、地域資源である茅を活用したスノーパークのオープンなど、持続可能な取り組みを進めてきました。「自然と共にあるスキー場」として、POWチケットによる寄付を追い風に、2025-26シーズンはさらに二本のリフトを再エネ電力に切り替えます。

各スキー場の2025-26シーズンPOWチケット取り組み、使用用途詳細はコチラ!
名寄ピヤシリスキー場(北海道名寄市)
用途:第1ペアリフトの2025年12月分電気使用量を再エネに切り替え
券種:早割大人シーズン券、早割シニアシーズン券(11/1〜発売)、オンライン大人1日券、オンラインシニア1日券
網張温泉スキー場(岩手県岩手郡雫石町)
用途:2026年1月12日の“スキーの日”に「網張再エネ100チャレンジデー」として全リフトの電力を再エネに切り替え
券種:シーズン券(9/1〜発売)、および2026年1月12日販売分の1日券・4時間券
かたしな高原スキー場(群馬県利根郡片品村)
用途:寄付金総額と同額をかたしな高原が拠出し、生ゴミを堆肥化して美味しい野菜を作るためのコンポスト導入に向けた、コンポストイベントの開催
券種:全てのリフト券
舞子スノーリゾート(新潟県南魚沼市)
用途:舞子ゴンドラ冬季電気使用量の100%を再エネに切り替え
券種:シーズン券(9/1〜発売)、全てのリフト券
湯沢中里スノーリゾート(新潟県南魚沼郡湯沢町)
用途:スキーセンターの冬季電気使用量の50%相当を再エネに切り替え
券種:シーズン券(9/1〜発売)、全てのリフト券
ムイカスノーリゾート(新潟県南魚沼市)
用途:①第1ペアリフトと第2ペアリフト冬季電気使用量の100%を再エネに切り替え ②センターロッジ内照明のLED化
券種:シーズン券(9/1〜発売)、全てのリフト券
キューピットバレイ(新潟県上越市)
用途:スキーセンター内照明のLED化
券種:シーズン券(9/1〜発売)、全てのリフト券
ニノックススノーパーク(新潟県新発田市)
用途:①ナイター照明電気使用量の100%を再エネに切り替え ②ナイター照明のLED化
券種:シーズン券(9/1〜発売)、全てのリフト券
戸隠スキー場(長野県長野市)
用途:越水第4高速ペアリフト・越水第5ペアリフトの電力を再エネに切り替え
券種:シーズン券(7/22〜発売中)
白馬八方尾根スキー場(長野県北安曇野群白馬村)
用途:スキー場の森林整備
券種:シーズン券(9/1〜発売)、マイカード
エイブル白馬五竜(長野県北安曇野群白馬村)
用途:微生物が生ゴミを水に分解するダイジェスターの導入
券種:ナイターシーズン券(9/1〜発売)、ナイター券、五竜47全共通券
昨シーズンに実際にPOWチケットを使ったスキーヤーの川口さんは次のようにコメントしています。
川口 徹さん(フリースキーヤー/THE NORTH FACE)
少しでも自分のプレーするフィールドに還元ができるのではと考えてPOWチケットを選びました。少なからずリフトアクセスでスキーをするという事は自然に対して負担があるわけですから、良いチョイスだと思いました。
そういうチケットを持って山に入っているというだけでは大きくは変わりませんが気持ち的な部分や自分の選択というところで一歩進むような気がします。気持ちの良い選択です。
こういう取り組みが多くのスキー場に広がる事を願っています。小さな所から大きな流れへ、自分の出来ることから少しずつ。
雪上での時間は多く残されているか分からないけど、諦めずに皆んなで力を合わせればまだまだ雪の上に限らず自然を感じフィールドの中で遊ぶ事が出来るのでは!
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■ニュース提供元:一般社団法人Protect Our Winters Japan
https://protectourwinters.jp/sustainableresort/
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