
台湾初のアクセサリーブランドが海ごみ回収プラットフォームを開発!AIと自動化技術を駆使し、海に流れ込むプラスチックを効率的に回収
台湾発のスマホアクセサリーブランド「RHINOSHIELD(ライノシールド)」は、18か月にわたる開発と120万米ドル以上の投資を経て、世界海洋デーを前に「CircularBlue™(サーキュラーブルー)海ごみ回収プラットフォーム」の初号機「ChangeMaker 破浪者」を正式に発表しました。
海洋ごみ回収のため、AIと自動化技術を駆使
今回発表されたプラットフォームは、AI・太陽光・自動化を組み合わせたモジュール設計により、沿岸部の海洋プラスチック汚染に対応することを目的としています。2025年度内に台湾台南の黄金海岸沖3kmの海域で試験運用を予定しているそうです。
■RHINOSHIELD CircularBlue™ 概要
効率的な海ごみ回収プラットフォーム
RHINOSHIELDのCircularBlue™は、探索ドローン、水面船、母船プラットフォームの3つの連携システムで、シンプルながら効果的に海洋ごみを回収するプラットフォームです。AIと自動化技術を駆使し、海に流れ込むプラスチックを効率的に回収します。人類が毎年排出する廃棄物のうち、最大1270万トンのプラスチックが海に流れ込み、その約80%が沿岸に溜まり続けています。RHINOSHIELDは、この見過ごされている海岸のごみ問題の解決を目的に、海洋ごみ回収プロジェクトを立ち上げました。
■ChangeMaker 破浪者 概要
初号機のChangeMaker 破浪者は沖合3キロに錨(いかり)で固定され、沿岸線に沿って海ごみを捕える役割を果たします。AI視覚システムを搭載し、自律航行が可能な完全無人船かつ、太陽光パネルの電力で動作するゼロエミッション船です。
ドローンでごみの浮遊位置を特定
RHINOSHIELD CircularBlue™は以下の要素で構成されています。
探索ドローン
無人ドローンが海面のごみをAI視覚システムで広範囲にわたり偵察。高解像度カメラで海上の浮遊ごみを探してGPSでその位置を特定し、水面船に信号を送ります。
水面船
探索ドローンの指定位置まで航行し、対象の海ごみを回収して母船プラットフォーム近くまで運びます。
母船プラットフォーム
太陽光発電による母船プラットフォームは24時間稼働。上層には20枚の太陽光パネルが設置され、クリーンエネルギーを供給します。水流ジェットを利用して圧力差を作り出し、水面船が運んできた海ごみを収集エリアへと導きます。このプロセスはベルヌーイの流体力学に基づいており、エネルギー消費を大幅に削減します。
プラスチックは「再利用すべき資源」
地球上で年間10億個のスマホケースが製造され、その99%はリサイクルが難しいとされています。RHINOSHIELDは、2017年より、強固な保護力と耐久性を備えたまま、すべてのスマホケースに単一素材を使用した設計にシフトしたそう。
スマホケース業界の常識である「接着剤で組み合わせた複合素材」の使用をやめることで、リサイクル時の分解という課題を解決。リサイクルが容易な単一素材を採用することで、サステナビリティと機能性を両立することに成功しているのだそうです。
また7年の歳月をかけ、2024年にRHINOSHIELDのスマホケースSolidSuitを100%循環リサイクルしたスマホケース「CircularNext」を発表。ShockSpread™ ECO循環材料技術により、リサイクル寿命を6倍以上に延長することに成功。リサイクルされた材料をまた何度もリサイクルすることで、バージン原料への依存を減らし、環境への影響と負担を軽減することができるのだとか。
この循環プロセスからプラスチックそのものが「悪」なのではなく、その「管理方法」こそが問題だということを学んだのだそう。プラスチックは「廃棄物」ではなく「再利用すべき資源」という視点で、スマホアクセサリーの枠を超えてプラスチックの使い方を見直し、サステナブルな未来を築いていくそうです。
CircularBlue™が目指すもの
CircularBlue™は2025年度内の本格始動に向けて、今後はプラットフォームの機能強化(ごみの自動分別システム、教育・観測ユースなど)を進め、産業連携と環境保護の新たな出発点となることを目指します。
2023年よりRHINOSHIELDは「クリーンオーシャン計画」を立ち上げ、プラスチック資源の再利用と管理強化に積極的に取り組んでいます。スマホケースの単一素材設計を皮切りに、漁網から再生したストラップや、ボトル由来の再生PET素材の製品など、循環経済の理念を製品へと落とし込んでいるのだそうです。
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■ニュース提供元:C. Simum Co., Ltd
https://shop.rhinoshield.jp/sustainability
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