ヤマアラシの小屋をアップサイクル断熱材で改修 wizoo・大牟田市動物園らの共同プロジェクト
動物園水族館探究メディア「wizoo」を運営する株式会社SHINMEは、大牟田市動物園(福岡県大牟田市)およびプラスチック部品メーカーの株式会社ニフコ(神奈川県横須賀市)と工場の端材をアップサイクルした断熱材を動物小屋に活用する共創プロジェクトを実施しました。
寒さに弱い動物の冬場の防寒対策を目的に、断熱材をヤマアラシの小屋の壁面へ導入したということです。
この取り組みで、動物福祉の向上と資源循環の促進を両立を実現しています。
冬場の防寒対策と「社会全体で動物園を支援する仕組み」を背景に
動物園は「種の保全(絶滅のおそれのある野生動物などを守る取り組み)」や環境教育といった役割を担う一方、限られたリソースの中で飼育環境の改善にも取り組んでいます。
今回のプロジェクトは、動物園が直面する課題の解決に企業の技術やリソースを活用する「社会全体で動物園を支援する仕組み」の一環として具体化されました。
動物園の冬場の防寒対策として、ニフコが開発を進めていたマットレス端材の「アップサイクル断熱材」にwizooが着目。大牟田市動物園へ導入を提案したことから、本プロジェクトが始まりました。

動物福祉と資源循環を両立、異業種による共創モデルを実現
プロジェクトでは、三者の協力により、動物たちの健やかな暮らしと廃棄物削減を同時に叶えています。
ニフコが工場の生産端材を「アップサイクル断熱材」として再生・提供。大牟田市動物園では、その素材を飼育現場のニーズに合わせた「特注サイズ」でヤマアラシの小屋の壁面へ導入し、冬場も温かく過ごせる環境を整えました。全体をコーディネートするwizooは、企業の技術を飼育環境の改善に直結させる、新たな支援の形を提示しています。
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小屋の制作風景 -

小屋で落ち着くヤマアラシ
サーモグラフィで保温効果を確認
サーモグラフィによる検証結果も発表されています。
断熱材を設置した場合、ヒーターの熱を逃しにくくなり、保温効果が確認できたとのことです。
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冬場の小屋内部 ※左上にヒーター設置 -

効果検証:サーモグラフィ|左:板のみ・右:断熱材あり※断熱材がヒーターの熱を逃さず、保温効果を持つことが確認できる
関係者コメント:現場の知見と企業技術の接続
プロジェクトの実施にあたり、大牟田市動物園の飼育リーダー河野さんは、「園内設備は飼育員の手作りが多い」とした上で、「専門外の知識や素材の提案をいただけるのは非常に心強く、機能的な小屋を作ることができました」と述べています。
ニフコのプラットフォーム事業部 新事業構想プロジェクトチームの大山さんは、「廃棄されるはずだったものが動物たちの役に立ち、素直にワクワクしています」とコメント、また「企業としての社会貢献」「社員のエンゲージメント向上」にもつながったとしています。
wizoo代表の高野洋さんは、「動物園の課題と企業の技術をつなぐ存在」を目指し、「今後も異業種コラボレーションが生む可能性を模索していきます」と展望を掲げています。

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