
ヘラルボニーが世界最高峰のクリエイティブの祭典・カンヌライオンズにて「Glass:The Lion for Chamge」ゴールドを受賞!SDGs部門でもノミネート
株式会社ヘラルボニーは、2025年6月16日から20日にかけて、フランス・カンヌにて開催された世界最大級のクリエイティビティの祭典「Cannes Lions International Festival of Creativity(カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル)」にて、「Glass: The Lion for Change」ゴールドを受賞しました。また、「SDGs部門」でもショートリストにノミネートされました。
「異彩」をさまざまな形で社会に届ける
ヘラルボニーは、「異彩を、放て。」をミッションに掲げ異彩作家とともに新しい文化を作るアートエージェンシーです。
松田文登さん、崇弥さんの「自閉症の兄へ向けられる冷たい視線を変えたい」という思いから2018年にはじまりました。
主に知的障害のある作家とライセンス契約をし、シャツやジャケットなどの製品を製造販売したり、企業とコラボしてアートイベントを展開したりしています。
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STORY | 株式会社ヘラルボニー
企業との共創による社会的インパクトの大きさを評価
「Glass: The Lion for Change」は、カンヌライオンズの中でも特に「ブランドのパーパスを超えて、創造的なコミュニケーションを通じて文化を変革し、社会に変化をもたらし、世界にポジティブな影響を与えるクリエイティブ」を称える部門です。
今年は世界中から251作品の応募(エントリー数は前年比53%増)があり、Apple、Nike、AXAなどのグローバル企業の作品もショートリストに並ぶなか、持続性のあるビジネスモデルや、ソーシャルインパクトが評価され、ヘラルボニーがゴールドに選出されました。
受賞理由について、審査員長のKR Liu氏は以下のようにコメントしました。
「世界が味方になっている」と確信した
ヘラルボニー Co-CEO 松田崇弥さんは以下のようにコメントしました。
「Time’s up, please finish.」
その言葉とともに、2025年6月16日、フランス・カンヌのグラス部門における審査員プレゼンテーションは、幕を下ろしました。
本来、最後に紹介されるはずだった、ヘラルボニーの真の創業者である兄・松田翔太を、紹介できることはありませんでした。
「Please welcome Satoru Kobayashi !!!!!」
プレゼンテーション途中、日本から共に乗り込んだ作家・小林覚氏を紹介すると、彼は脱いでいたサンダルを履き直しており、むしろ誰よりも低い姿勢で立ち上がることもありませんでした。
人生初の英語プレゼン、HERALBONY EUROPE 代表・忍岡真理恵とのタッグにより支えられたのですが、私のつたない英語により、時間オーバーまでしてしまった、果たして大丈夫だったのだろうか…。不安でいっぱいの中、質疑応答の10分間が始まりました。そして最後の質問へ。
「Time’s up, but what were you actually trying to say? (時間切れになったけれど、本当は、何を伝えようとしていたの?)」
会場が、どよめきました。審査員から、助け船の質問が届いたのです。
「The true founder HERALBONY, my brother Shota Matsuda! Stand up, please !!!!(真の創業者である翔太です、立ってください!)」
「立ってください」とお願いしたはずなのに、なぜか壇上に向かってきた翔太さん。何かしゃべりたかったのでしょうか。「違うよ翔太さん。前に来なくていいんだよ。立って!」そんなやりとりをしている間も、会場にはやさしい空気が、確かに流れていました。
そして、そんなあたたかい質問をしてくれた審査員を見たとき、彼の目から涙が流れていることにやっと気づきました。プレゼンを無事終えることに必死すぎて、泣いていることに自分でも気づくことができなかったのです。
これは「世界が味方になっている」そう確信した瞬間でした。
創業から来月で7年を迎えます。
その集大成は、カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル・グラス部門「ゴールドライオン」です。
グローバル展開を目指して
HERALBONY EUROPE CEO 忍岡 真理恵さんは以下のようにコメントしました。
カンヌ現地で行われたGlass部門の最終審査ではこれ以上はないというほど完璧なプレゼンができました。完璧、というのはミスがなかったのではありません。
観客席にいた作家の小林覚さんや松田翔太さんが起こすイレギュラーも含めて、会場の雰囲気がヘラルボニーのホームかのような一体感のある最高の時間でした。
ピッチしていてこんなに、優しく応援してもらっている気持ちになるのは初めてでした。審査されているはずなのに、一人一人とつながっている感覚がありました。
ファイナリストに残ってから2週間。最後の最後まで、チーム全体で十分にやりきったと胸を張れる練習量をこなしてきました。
子供の頃の出来事、ヘラルボニーを創業し世界の多様な作家と会い、世界展開を確信するまでを熱を込めて話す松田のピッチは英語ネイティブではないながらもただならぬ迫力があり、審査員も黙ってただ引き込まれていました。
私のパートでは、ビジネスモデルとしての可能性や、事業がお金を超えた社会的意味を持つこと、グローバルな展開の現実味などをお伝えしました。審査員があまりにも頷いてくださるので、順に一人ずつ顔を見ながら直接語りかけていきました。終わったあとには涙が湧いてきて、泣きながら退場。
ここまでヘラルボニーに関わった何人もの方がそれぞれの祈りと想いを込めて繋いできた重いバトンを、最後の走者として絶対落としてはならないという気持ちで迎えた本番。
しかし、走り切ったらゴールテープの横で審査員の人たちが全力で応援してくれていた。みんなのバトンは確かにカンヌに届きました。私たちの夢はまだ始まったばかりです。ゴールドを取れたことに心から感謝して、次の夢を目指して進んでいきます。
SDGsはもちろんのこと、サステナブル・エシカルな視点から記事を制作する編集者・ライターの専門チームです。社会課題から身近にできることまで幅広く取り上げ、分かりやすくお伝えします。
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