
大船渡市の山林火災で被災した子ども達を支援。給付金の応募受付へ
認定特定非営利活動法人カタリバは、2月26日に岩手県大船渡市で発生した山林火災において、被災した子ども・子育て家庭への緊急支援として「カタリバこども給付金」を給付することを決定しました。
健康被害など、二次被害が起こるリスクも
2025年2月26日に発生した岩手県大船渡市の山林火災は、約2,600ヘクタールが焼損し、およそ74棟の住宅や建物が被害を受けました。3/17日現在、約1,000人が避難所で生活を送り約2,400人が親戚宅等で避難生活を送っています。※1
避難指示が解除されたとしても、電線が焼損したことにより電気が通らず貯水槽も動かすことができないなど、ライフラインの復旧も次の課題として挙げられています。
さらに、現地で明らかになってきているのは、住宅が直接焼損していなくても周辺の火災の影響で被害を受けるケースがあることです。例えば、火災によるススが家の中に入り込み、過剰に吸い込むと健康被害のリスクがあるほか、焼き焦げた匂いが取れないなど生活環境に影響を及ぼす恐れがあると言われています。
また、消火活動で撒かれた海水により家屋が傷み修繕が必要になったり、田畑への塩害といった周辺被害が懸念されています。住民の方々からは「自分の家が残っているか分からない」という声のほか、ここ数日は「家に帰れたとしてもすぐに日常生活ができるか不安」という声も出てきています。
※1:大船渡市 林野火災避難人員について(3/7 15時現在)
https://www.city.ofunato.iwate.jp/uploaded/attachment/40390.pdf
子ども達の日常を取り戻すための給付金
岩手県では被災者生活支援法や災害救助法を適用し、被災者の基本的な生活再建の支援や、学校で使う学用品等の現物給付などの支援制度も整えられています。
一方で、学用品以外にも子どもに必要なものとして、衣類や寝具・勉強机などのほか、習い事、部活道具や遠征費・学費などがあります。子どもの日常を取り戻すためには、物資支援だけではどうしても行き届かない部分もあります。また、主な支援金は生活再建に向けた支援となり、発災直後の現段階では、子どもへの支援制度は多くないというのも実情です。
このような状況を受けて、カタリバでは緊急支援「カタリバこども給付金」の給付を決定しました。
この給付金は山林火災の被害を受けた子どもが、早期に日常生活を取り戻すことを目的とした現金給付型の支援です。
使い道は子育てに関する費用を想定しているそうです。
・部活動の遠征費や火災により失われた物品の購入
・習い事や塾の費用
・通学に必要な交通費
など。
※支援に関する内容は、国等の支援状況に応じて変更となる可能性があるそうです。あらかじめご了承ください。
被害状況が分かり次第、応募受付開始
「カタリバ給付金」では、今回の山林火災によって全焼・半焼の被害を受けた方のほか、火災による周辺被害を受けた0歳~18歳の子どもがいる家庭への給付を検討しています。
現段階(3/13)では自宅の被害状況が確認できないため、避難指示が解除され、被害状況が分かる段階になり次第応募受付を開始します。
応募開始はカタリバ公式WEBサイトにてお知らせする予定だそうです。
応募開始のお知らせを希望する方は、下記専用フォームよりメールアドレスをご登録ください。
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▼岩手県大船渡市山林火災 緊急支援「カタリバこども給付金」応募開始お知らせ専用フォーム
*本フォーム給付金の申込ではなく、募集開始のお知らせを受け取るためのものです。
https://forms.gle/Z8wUy1eSTqWczKfA9
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特定認定非営利活動法人カタリバとは
どんな環境に生まれ育った10代も、未来を自らつくりだす意欲と創造性を育める社会を目指し、2001年から活動する教育NPOです。高校への出張授業プログラムから始まり、2011年の東日本大震災以降は子どもたちに学びの場と居場所を提供するなど、社会の変化に応じてさまざまな教育活動に取り組んでいます。
SDGsはもちろんのこと、サステナブル・エシカルな視点から記事を制作する編集者・ライターの専門チームです。社会課題から身近にできることまで幅広く取り上げ、分かりやすくお伝えします。
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