
“炭鉱のまち”から“循環のまち”へ!福岡県大牟田市で廃食油を地域の道路へ再利用、地産地消によるローカルSDGsを実現
田中鉄工株式会社が推進している道路舗装業界のカーボンニュートラル実現に向けた、地産地消型のローカルSDGsスキーム「Roa(d)cal SDGs Project」 が、福岡県大牟田市で導入されました。
家庭や飲食店等から発生した使用済み食用油を、道路や歩道の材料として還元するもので地域における循環型社会と環境保全に大きく貢献します。
使用済みの食用油を回収して、まちの道路にリサイクル!
明治時代からエネルギー拠点として日本の近代化を支え、世界遺産にも登録された三池炭鉱を有する福岡県の大牟田市は、現在「ゼロカーボンシティ」の実現を掲げています。“脱炭素”を推進し、市民・市民団体・事業者・市の4つの主体が協働しながら「2050年二酸化炭素排出量実質ゼロ」を目指して持続可能な地域循環型社会への転換を進めています。
その象徴的な取り組みとして、地域で使用済みとなって廃棄される食用油(廃食油)を地域の道路に再活用するプロジェクトがスタート!
家庭や飲食店の廃食油を、アスファルト合材の製造に使用する重油や軽油の代替燃料として道路や歩道に還元するスキームを、佐賀県に本社を置く田中鉄工株式会社が構築。これを「Roa(d)cal SDGs Project」として展開している中で、大牟田市は長崎県大村市、北海道小樽市に続く全国3例目の導入になっています。
廃食油はその地域から発生する地産地消エネルギーとして、循環型社会の実現に貢献します。また、SOx(硫黄酸化物)・NOx(窒素酸化物)やCO₂排出の削減等、様々な環境負荷軽減エネルギーとして、地球環境の保全に大きく貢献します。
大牟田市「Roa(d)cal SDGs」モデルの全体像と教育への取り組み
大牟田市の家庭や飲食店で発生した廃食油が市内の道路材料に使用されることで、地域の道路舗装会社、油脂会社、小売店等との共創でローカルSDGsが実現するとともに、下水道への環境負荷を軽減。そして重油代替燃料として使用することで、工場から排出されるCO₂削減にもつながっています。
また、廃食油の回収・再生・利活用までの履歴や温室効果ガス排出量は「見える化」され、市民やサプライチェーンの人々の実感を高めます。

家庭系廃食油については2025年2月28日よりマルミヤストア大牟田店・大牟田南店で回収が開始され、グリーンコープ生協ふくおか上官店でも同年6月15日より回収開始。2025年7月末までに、計約220Lが回収されています。さらに、イオン大牟田店でも同年8月26日より回収が始まりました。
回収された廃食油を燃料として製造されたアスファルト合材の出荷も開始しており、大牟田市内の道路舗装に活用されています。
2025年7月には、未来を担う子どもたちを対象としたSDGs教育プログラムも実施。
廃食油がリサイクル可能な貴重な資源であること、またリサイクルを通じて環境問題の解決に貢献できることを学んでもらうため、大牟田市エコサンクセンターで開催された環境学習プログラム「夏エコ教室」において、「廃食油でキャンドルづくり」の体験授業が行なわれました。
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