ドローン×AIを利用したマラリア対策が、SDGsジャパンスカラシップ岩佐賞「医療の部」を受賞
結核・エイズに並ぶ世界3大感染症である「マラリア」についてご存じでしょうか。近年は日本での発症が少ないため、あまり馴染みのない方もいらっしゃると思います。アフリカを中心に年間2億人以上が感染するほど感染者の多い疾患ですが、いまだに感染対策が確立されていないのが現状です。
そんなマラリア対策を必要としている人々を支援すべく、SORA Technology株式会社(以下ソラテクノロジー)はドローンとAIを組み合わせたマラリア対策事業を行なっています。
2024年4月には第4回SDGsジャパンスカラシップ岩佐賞「医療の部」を受賞し、その技術は注目を集めています。
グローバルヘルスの問題を、ドローン×AIの技術で解決へ
ソラテクノロジーは、マラリアを根絶するためにドローンとAIを用いたボウフラの駆除を行なっています。ドローンで撮影した水たまりをAI分析し、マラリアを媒介する蚊の幼虫(ボウフラ)の発生リスクを分類。ボウフラ発生リスクの高い水たまりには殺虫剤を散布します。
具体的な手順は以下のようになっています。
①ドローンを飛ばして上空から地上の写真を撮影
②撮影した写真をもとに水たまりの場所を特定
③水たまりをAI分析してボウフラ発生のリスクを分類
④ボウフラ発生のリスクが高い水たまりに殺虫剤を散布
全ての水たまりに殺虫剤を散布するのではなく、AIが高リスクと判断した水たまりのみに殺虫剤を散布するため、環境への負担を減らして少ない人手で実施できるといいます。
年間60万人が命を落とす、マラリアの現状
2022年には世界85カ国で2億4,900万人のマラリア患者が発生し、60万8,000人が死亡したと推定されています。以前は「2000年までにマラリアを撲滅できる」と言われていましたが、残念ながらそこには至りませんでした。
発生地域はアフリカが中心でしたが、近年は気候変動の影響でフランス南部や韓国、アメリカ南部など今まで感染報告がほとんどなかった国でも感染が確認されました。
マラリアは発展途上国のみの問題ではなくなっており、日本人も身近な問題として捉える必要があります。
SDGsに貢献!岩佐賞「医療の部」を受賞!
今回、ソラテクノロジーの「ドローンとAIを使用したマラリア対策」が第4回SDGsジャパンスカラシップ岩佐賞 医療の部を受賞しました。
公益財団法人岩佐教育文化財団は、国連が掲げるSDGsの17の分野で著しい貢献をした方や団体または研究・普及啓発に対する顕彰と、児童や青少年の健全な育成に関する事業を行なっています。
医療の部では、ほかにも「地域ごとの医療介護課題を解決する在宅医療の展開」「日本で暮らす外国にルーツを持つ子ども・子育て支援」などが受賞しています。
受賞団体についてはこちらでご覧いただけます。
■受賞コメント Founder兼CEO 金子洋介さん
ドローンとAIを駆使してマラリア媒介の発生を抑制する取り組みに共感していただけたことを大変うれしく思います。HIV、結核と並んで3大感染症に数えられるマラリアは、気候変動によってますます脅威が広がります。ソラテクノロジーが誇る先端技術で、マラリアのない世界の実現に向けて歩んでまいります。
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■ニュース提供元:SORA Technology株式会社
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