STEM(理系)領域で働く女性は少ない!?学生がSTEM領域に触れられるツアーを開催
公益財団法人山田進太郎D&I財団は、中高生女子向けのSTEM(理系)領域の職場体験プログラム「Girls Meet STEM Career」を、JR東日本、MUFG、Honda、LINEヤフー、理化学研究所など16の企業および研究機関と連携して立ち上げ、7月11日(木)より参加登録の受付を開始。
プログラムでは企業や研究機関のオフィスツアーやSTEM領域で活躍する社会人女性との交流を通じて、中高生が楽しくSTEM領域の職場を体験できる機会を提供するそうです。
依然として、理系へ進む女性が少ない日本
STEMとは、Science(科学)・Technology(技術)・Engineering(工学)・Mathematics(数学)の教育分野を総称した言葉です。
日本のSTEM領域への女性の大学進学率は19%※1と、OECD諸国(38カ国)の中で最低水準です。エンジニアとして働く女性の比率もOECD平均20.0%に対して日本は16.9%※2と低く、人材の育成が遅れているといえます。
一方、経団連による女性理工系人材に関するアンケート※3によると、理系女性を増やすと回答した企業は6割を超え、企業からの需要は高まっているそうです。
また、東京工業大学では今年度から女子枠選抜を設け、京都大学でも2026年度より理学部と工学部にて女性募集枠を設けるなど、理工系分野のジェンダーギャップを解消するための動きが見られます。
*1: 令和5年度文部科学省「学校基本調査」より理学部・工学部を合算して算出(山田進太郎D&I財団調べ)。
*2: IT分野のジェンダーギャップに関するグローバル調査(ヒューマンリソシア株式会社、2024年3月発表)
*3: 博士人材と女性理工系人材の育成・活躍に関するアンケート結果(一般社団法人日本経済団体連合会、2024年2月公表)
STEM領域で学ぶ・働く女性と関わる機会を
STEM領域で活躍する女性を増やすためには、進路選択前の女子生徒がSTEM領域の仕事や学びに触れる機会を提供し、キャリアへの興味を高めることが重要なのだとか。同財団が実施した中学生女子272名を対象としたSTEM領域で働く女性との座談会では、「STEM職種への関心」が約3倍に、「女性に向いている職種であるイメージ」が約9倍に増加するなど、STEM領域で働くロールモデルと早期に出会うことの重要性が明らかになりました。
近年、中学など早い段階からSTEMへの関心を高めるため、自治体と企業が連携したSTEM領域の職場体験プログラムが増えています。そこで今回、この流れをさらに広げるべく、16の企業・研究機関と協力し、さまざまなSTEM領域の職場ツアーを体験できるプラットフォームを構築したのだそう。
中高生女子が興味・関心に沿った体験を身近な場所で発見し、STEM領域での女性ロールモデルと出会い、好きなことを積極的に選択できるよう支援するそうです。
大手企業も参画!STEM領域に触れるツアー
大学や企業で実際に学び体験することで、自分の好きなこと・やりたいことを発見するきっかけを届ける「Girl Meet STEM」では、全国企業のオフィスツアーや工場・研究所ツアー、社会人ロールモデル女性との交流会などを行ないます。今年の7月より開始し、以降通年で実施するそうです。参加対象は中学1年生から高校3年生までの女子(性自認が女性である方を含む)となっています。
大学ツアーでは、大阪大学基礎工学部にて最先端の研究に触れるものや、慶應義塾大学理工学部にて実験教室をしたり先輩女性との座談会を行なったりするものがあります。また、企業ツアーでは、サイバーエージェント・JR東日本・京セラ・アサヒグループ・サントリー・旭化成・メルカリ・三菱電機などの企業が参加しており、オフィスツアーや座談会などを行なうようです。
「Girl Meet STEM」プログラムへの参加申し込みはこちらから
Girls Meet STEM – 山田進太郎D&I財団 (shinfdn.org)
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