
岡山県真庭市「世界初! 一般廃棄物のメタン発酵消化液の全量濃縮」で生活の生ごみから農業用肥料をつくる施設の見学コースを受付中
SDGs未来都市である岡山県真庭(まにわ)市では、生ごみなどの有機廃棄物から農業用の液体肥料をつくる施設「真庭市くらしの循環センター」の見学を、一般社団法人真庭観光局で受け付けています。液体肥料をつくる工程において「一般廃棄物のメタン発酵消化液を全量濃縮する」のは世界初の取り組みです。
また、液体肥料を実際に利用している農場での農業体験がセットになった見学コースもあり、真庭観光局ではさまざまな視点で資源循環を学べるコースが用意されています。
生活で出る生ごみを農業用の液体肥料へ!SDGs未来都市の取り組み
岡山県真庭(まにわ)市は2018年にSDGs未来都市に選定され、木質バイオマス発電などの先進的な取り組みに全国から多くの視察者が訪れています。また近年は「SDGs学習」や「探求的学習」の教育旅行先としても注目されています。

そんなSDGs未来都市である真庭市は、これまで廃棄物として焼却処理していた「生ごみ」と、水処理していた「し尿」「浄化槽汚泥」を資源として再生させ、ごみ処理コストを削減することと、循環型の暮らしの実現を目指しています。

今年1月からは、生活の中から出る有機性のごみを、肥料とエネルギーに再生する最新の資源化施設「真庭市くらしの循環センター(愛称まにくるーん)」を本格稼働させました。

センターの中には、生ごみなどをメタン発酵によって液体肥料の「バイオ液肥(えきひ)」にする技術を有した「バイオ液肥濃縮施設」があります。
これにより、今までは廃棄されていた有機物を、農業の肥料として有効活用することができます。

バイオ液肥濃縮施設で行なわれる、一般廃棄物のメタン発酵消化液を全量濃縮するのは世界初の取り組みとなっています。
バイオ液肥は2種類の濃度で作られますが、濃度の高い「濃縮バイオ液肥」は少量で済むためより効率的です。
従来、水稲では10a(アール)あたり4トンの散布が必要だったところ、濃縮バイオ液肥では400リットルでまかなえるそうです。
また通常のバイオ液肥は、市内数カ所に設置されたスタンドで誰でも自由に持ち帰ることができるようになっています。

どちらの濃度のバイオ液肥も、農林水産省に肥料登録された肥料です。
「真庭市くらしの循環センター」公式サイト
https://maniwa-meguri.com/recyclingcenter/
真庭SDGs学習「真庭市くらしの循環センター視察コース」で施設見学ができる!
一般社団法人真庭観光局では、市内のSDGsの取組みを短期間で学べる・体験できる「SDGs学習コース」をプログラム化。「真庭市くらしの循環センター」の見学を含む視察コースの受け入れを今年1月より実施しています。
見学では、「生ごみなどの資源化の取組み説明」と「生ごみ等資源化施設(真庭市くらしの循環センター)」の施設見学がセットになっており、オプションで「バイオ液肥(えきひ)濃縮施設」の見学も追加可能です。実際の作業現場を見ながら学ぶことができます。

また、実際に製造されたバイオ液肥を利用している農場での農業体験がセットになった「バイオ液肥を作る生ごみ等資源化コース」では、収穫したお野菜をお土産として持ち帰ることができます。子供から大人までが循環型の暮らしが学べる内容です。

真庭市内のSDGsの取組みをしている企業の概要をまとめた学習用パンフレットも用意しており、説明では聞き逃しやすい細かな数字も記載しているので復習用としても活用することができます。
◆真庭SDGs・バイオマスツアー特集サイト
https://www.maniwa.or.jp/biomass/index.cgi?c=top
真庭観光局ではこのほかにも、学習目的に合わせたコースを作成しています。
ギネスに「世界最大の木造建築物」と認定された大阪・関西万博の「大屋根リング」は、その木材のうちの3分の2が、真庭市に本社のある銘建(めいけん)工業株式会社の製造です。強度のある木質系材料「CLT(Cross-Laminated-Timber)」を使った建築物である本社事務所や、工場見学ができるコースも人気とのことです。

SDGsはもちろんのこと、サステナブル・エシカルな視点から記事を制作する編集者・ライターの専門チームです。社会課題から身近にできることまで幅広く取り上げ、分かりやすくお伝えします。
他のニュースを見る

OTHER NEWS