
コーヒーを飲んで、ネパールの農家を支援!出稼ぎに依存しない収入の確保に向けた取り組みとは?ネパールコーヒーを試飲レビュー
平林金属株式会社は、ネパールでのコーヒー豆栽培事業を支援しています。ネパールではいまだに収入を出稼ぎに依存しており、農家のみの収入で生計を立てるのが難しい状況です。そのような現状を打破するために現地に足を運び、コーヒー栽培から販売まで一貫して支援している平林金属の江原さんにお話を伺いました。
SDGsの目標1「貧困をなくそう」に貢献
ーーなぜオーガニックコーヒーという分野に取り組んでいるのでしょうか?
平林金属はSDGsに積極的に取り組んでおり、現在は17すべての目標を達成しています。しかし、以前は持続可能な開発目標1番の「貧困をなくそう」だけが達成できていませんでした。「何か自分たちにできることはないか」と模索していたところ、特定非営利活動法人AMDA社会開発機構(アムダマインズ)様よりネパール支援のお話をいただき、コーヒー事業を支援することになりました。
いまのところ、180名のネパールの方の収入機会を生んでいます。ネパール現地での雇用を生み出しているんです。
出稼ぎをせず、コーヒー農場だけで生計を
ーー農園ではどのようなオーガニック農法を実践していますか?また、現地の暮らしや環境保全に関してどのような貢献をされているのでしょうか?
ネパールの農家さんの特徴なんですが、土をとても大事にします。神様からいただいている、先祖からいただいている、その土を汚すということを本当に嫌います。なので、平林金属の基本的な考え方や、コンセプトと非常に近しいところもあって、ずっとお付き合いをしていきたいと思ってますし、ネパールの農場の方からもずっと付き合いたいっておっしゃっていただいています。
ネパールには、ビルドスさん、クンダンさんという、2人の農園主がいます。彼らは、国外での出稼ぎにできるだけ行かせたくないと考えています。出稼ぎでは命を落としてしまう可能性があるのです。彼らは「ネパール国内での仕事で生計が立てられるのなら、それがいちばん嬉しい。家族と一緒に暮らしてほしい」と言っています。それを実現するために、彼らは今コーヒーの栽培・普及に取り組んでいる。私はその手伝いをしたいと本当に思いました。
ーーなるほど、家族と暮らしたいという深い思いがあるんですね。
ビルドスさんはもうコーヒーで生活ができるようになっていて。クンダンさんもクンダンさんご本人は生活できるようになっています。ビルドスさんが周りの農家さんたちに苗木を配ってるんです。無償で育て方を教えているんです。
苗木を分けてもらった周りの農家さんが栽培を始めています。この事業をはじめた1年目は、ビルドスさんとクンダンさんが栽培した豆のみだったのですが、2年目から周りの農家さんが栽培した豆が少しずつ入ってきました。現在は、ビルドスさんとクンダンさんの豆よりも多い豆が僕の手元に来てます。
当たり前なのですが、買い手がいるとビジネスとして成立しやすくなります。ネパールは輸送するための手段が少なく、輸出するための規制もあるため今まで海外に持っていくということがほとんどできなかったんですよ。ただ、買い手がつけば、彼らは次の投資に向かえますし、「より良い品質のものを作りたい」という思いもできるでしょうし、知り合いを呼び寄せることもできるんです。その支援を我々が行なっています。
ネパールの人は、基本いい人たちなんですよ。ネパールは貧しいですが、嘘つかない人が多いんですよね。仕事のない若い人でも、犯罪にあまり意識が向かない。真面目だから貧困に陥りやすい。だから手伝えることあったら手伝いたくなるんですよね。
スペシャルティを目指せるポテンシャル
ーーコーヒーの味の特徴など教えてください。
一般的に流通しているコーヒーとして考えると、遜色ない品質になっています。世界のハイクラスの豆である「スペシャルティ」の品質までもっていけるよう、精選方法や、土地の状態、品質管理、輸送にも毎年力を入れています。スペシャルティになることによって、コーヒー豆の生産者に還元されるお金も数倍になるんです。現在栽培している豆は、ポテンシャルを持っていると感じたものですから、現地と一緒にその品質の向上のためのプロセスを実験しつつ品質を上げています。
ネパールの豆の特徴としては、酸味はそれほどしっかり出てない。そして、苦味も非常に柔らかいので、非常にマイルドなんです。
また、ネパールでは農薬を使ってる農家さんがほとんどいません。農薬を販売しているお店はありますが、高いので買うことのできない農家さんがほとんどです。ほぼ 100% オーガニックな環境がネパールにはあります。
輸出ルートも手探りで創出
ーー日本で販売するにあたり、輸出はどのように行なっているのでしょうか?
ネパールからの輸出はなかなか大変です。輸出量が増えたら飛行機ではなく船便を使いたく、コーヒー事業を始めて2年目に船便を作り始めました。輸出するために輸出用のコードが必要になります。それを取得するには、法人を作らないといけないので、現地に法人を作るお手伝いから入ってます。
最初はコーヒー豆を入れる麻袋がネパールで調達できずインドから取り寄せたり、コーヒー豆を自分たちで担いで空港まで運んで植物検疫に通したり、急いで日本に帰ってきて、関空でそれを受け取ったりとかしたんです。
飛行機だと1キログラムあたり4USドルくらいかかってしまうんです。日本での販売価格の相場を考えると、生産者の方々に落とするお金がかなり減ってしまう。輸送コストを抑えるということをとても考えました。
ーー想像してたものよりも、スケールが大きなお話でした。
ネパール国内であったり、日本国であったり、本来なら国がやる事業を民間がやっている感覚です。
コーヒーを楽しみながら、SDGsにも貢献できるサービス
ーー法人向け商品の販売経路を伺ってもよろしいですか?
いま1番力を入れてやってるのが B to B です。B to B 向けにネパールのコーヒーのサブスクを販売しています。月額6000円で1キロ(90杯分)のコーヒーとレンタルサーバーが無償で提供されるというプランです。メンテナンス料も無料。普段飲んでいるコーヒーをネパールコーヒーに変えてもらうことで、SDGsの持続可能な開発目標1番にリーチできることが特徴です。コーヒーを切り替えるだけでSDGsに貢献できます。
企業さんたちにとっても、「貧困をなくそう」という目標にアプローチすることが難しいと思っておられる方々が多いんですが、「このサービスを利用することがSDGsにつながるんですよ」ということを謳っています。
サービス開始から現在までに、大手企業をはじめとした様々な企業での導入が始まっています。

ネパールコーヒー事業の今後の展望
ーーネパールでのコーヒー事業について、今後の展望を教えてください。
ネパールで、From seed to cup というコーヒーの豆の状態からカップになるところまで全部がサイクルとして回る形を作りたいと思っています。現在コーヒー事業では、豆を日本に持ってきて我々が資金化してるのですが、ネパール国内で資金化する流れを作りたいんです。
例えば、焙煎をするロースタリーをネパール国内に設置して、焙煎や抽出をし、輸送も行なう。そうすることでネパール国内でさらに雇用が生まれます。最終的には自分たちが作っているコーヒーを自分たちも飲めるようになる。このサイクルをネパール国内で作りたいんです。このサイクルの成功事例をひとつ作りたいと思っていて、これがネパールプロジェクトにおけるゴールだと思っています。
ネパールコーヒー購入プランについて
平林金属では、法人向けに月額6000円でネパールコーヒー1kgとコーヒーマシーンのレンタルを提供するプランがあります。
コーヒーをネパール産のものに置き換えるだけで、SDGsの目標1「貧困をなくそう」にリーチすることができます。
■法人向け定期購入について、詳しくはこちら
https://koenbench-greens.com/?mode=f6
今回、Link with SDGs編集部でネパールコーヒーの試飲レビューを行ないました。
試飲レビュー➀

お湯を注いだ瞬間に、香ばしい香りが立ちます。酸味はほのかに感じる程度で、コクがありまろやかです。すっきりとした苦みで、ガツンとした強い味が苦手な方でも楽しめます。クセが少ないので、どのシーンにも合うと思いますし、万人受けする味だと感じました。
――Link with SDGs編集部ライター(20代女性)
※新パッケージは2025年内から随時切り替わる予定です。
試飲レビュー②
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コクと深みを感じられてとってもおいしい!
苦みのバランスが良くて、まろやかさも感じるけれどあと味はさっぱり感もあって良いです。チョコレートっぽい風味も感じます。
酸味が強くないので、酸味の強いコーヒーが苦手な方も飲みやすそうだと思いました!
香りも、柔らかくてスモーキーな香りで仕事の合間に癒されそうです。一旦リラックスしたい時、「午後からも仕事を頑張るぞ!」と気持ちにスイッチを入れたい時に良さそう♡
――Link with SDGs編集部スタッフ(30代女性)
SDGsはもちろんのこと、サステナブル・エシカルな視点から記事を制作する編集者・ライターの専門チームです。社会課題から身近にできることまで幅広く取り上げ、分かりやすくお伝えします。
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