普段使う「紙」をエシカルに!バナナペーパーでSDGs
紙=森林伐採のイメージもあるため、SDGsのある暮らしとは相反するもののように感じてしまいます。
ところがSDGsの考え方にも合っている、エシカルな紙もあるんです。
今回ご紹介する「バナナペーパー(商品名ワンプラネット・ペーパーⓇ)」は、アフリカのザンビアで生産されたオーガニックバナナの茎の繊維に、古紙または森林認証パルプを加えて作られたエシカルな紙です。
「普段使う紙をバナナペーパーに変える」。この行動が、SDGsにつながります。
アップサイクルによって環境に配慮
バナナペーパーは、本来は廃棄されるだけだったオーガニックバナナの茎から繊維を取り出し、紙の原料にしたものです。
この「本来捨てられるものに新たな価値を与え、製品に再生する」ことをアップサイクルと呼び、近年のSDGsに対応したエシカルな商品に採用されることが増えており、バナナペーパーもそのひとつです。
↓バナナペーパーを使ったポストカードの実例
若竹丸休日郵便開店しています。
ザンビアで育ったバナナの茎を、フェアトレードの紙、バナナペーパーにして使用した商品のご紹介です。🍌
左はふせん
柄が2種類あります。
中の人は右側の猫の顔が好きです。右はポストカード
絶滅危惧種であるイリオモテヤマネコのイラストが描かれています。 pic.twitter.com/ZQuz8CwRxX— 竹富島の雑貨屋🏝若竹丸⛴ (@YKF_taketomi) March 6, 2021
世界では毎日100万トンの紙が使われ(※1)、世界中で大量の紙が消費されています。この消費に木の再生が追いつかずに、世界では毎年日本の国土面積で計算すると約1/3の森林が失われていると言われています(※1)。
森林が失われると生態系が壊され、生物多様性にも影響が出かねません。
一般的に苗木を植えてから木材を利用できるまで40年~50年ほどの期間(※2)がかかると言われていますが、バナナの茎なら切ってから1年以内に再生し、新しいバナナの実がなります。
※1 WWF2008-2010
※2 九州森林管理局「森林の育て方、木材生産」
切り残された根からは1年以内に新しい茎と実が再生されます。
引用元 ワンプラネット・ペーパー®️協議会「1年草というバナナに秘められたサステナブルな力」
さらにフェアトレードで、貧困問題に向き合う
バナナペーパーは一般名称で、今回ご紹介するのはそのバナナペーパーを使い、さらにフェアトレード認証を加えた「ワンプラネット・ペーパーⓇ」。現在世界15ヵ国で販売されており、名刺や包装紙、紙ハンガー、紙袋、大学の卒業証書をはじめとして、幅広い商品に使われています。日本では株式会社ワンプラネット・カフェが取り扱っており、消費者庁のノートもワンプラネット・ペーパーⓇで制作されています。
このワンプラネット・ペーパーⓇは、ただ環境に配慮した商品というだけでなく、日本で初めてフェアトレード認証された紙であり、原産地の安定的な雇用の創出によって経済発展への寄与(フェアトレード)が行われるものです。
ワンプラネット・ペーパーⓇはアフリカ、ザンビアのエンフエ村にある工場で作られています。バナナの茎の繊維がもつ水分を除去して乾燥させる作業などで現地の雇用を確保し、そこではもちろん児童労働は行われていません。
チームメンバーへの健康教育や栄養のある食事、水分補給、安全対策などを徹底し、工場そのものもサステナビリティに基づいたグリーン工場で稼働しています。
ザンビアのバナナペーパー工場は、様々な環境配慮型の仕組みを取り入れた「グリーン工場」です。
引用元 ワンプラネット・ペーパー®️協議会「ザンビアからの報告」
自分が普段使うものをSDGsに変えれば、SDGsへつながる行動に
以上のように普段使う紙をバナナペーパー(ワンプラネット・ペーパーⓇ)のようなSDGs対応商品へ変えることで、自らの行動がSDGsへつながっていきます。
また、サステナブルな紙はバナナペーパーだけではありません。
ぜひ身の回りの「紙」にも着目して、ひとつずつ、できることから行動していきませんか。
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SDGsはもちろんのこと、サステナブル・エシカルな視点から記事を制作する編集者・ライターの専門チームです。社会課題から身近にできることまで幅広く取り上げ、分かりやすくお伝えします。
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