1アクションで1円が生産者へ寄付「フェアトレードミリオンアクションキャンペーン」
認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパンは、5月をフェアトレード月間として「ミリオンアクションキャンペーン2023」を行っています。
このキャンペーンは1アクションにつき1円を途上国の生産者に寄付するもので、みんなのアクションが地球の未来への贈り物につながる企画です。
キャンペーンの展開にあたっては4月にメディア向けのキックオフイベントも開催されており、今回はアンバサダーの髙梨沙羅さんやエバンズ亜莉沙さん、堀潤さんのコメントも交えてご紹介します。
「フェアトレードミリオンアクションキャンペーン2023」とは?
フェアトレードは、私たち消費者が買い物で世界とつながることができる取り組みです。
→そもそも「フェアトレード商品とは?」「どんな商品があるの?」など、こちらの記事もご参照ください。
「フェアトレードミリオンアクションキャンペーン2023」では、このフェアトレードの認知をもっと広げて、多くの人がフェアトレードを選べるようにするための施策のひとつ。
以下の「アクション」の数に応じて、「1アクション=1円」が途上国の生産者に支援金として送られるキャンペーンです。
フェアトレード・ラベル・ジャパンでは合計200万アクションを目標としています。
期間︓2023年5月31日(水)まで
商品購入
フェアトレード商品を購入すると1商品ごとに1アクションがカウントされます。
イベント参加
期間中に全国各地で開催されるフェアトレードイベントに参加することでアクションがカウントされます。
登録飲食店でのフェアトレードメニューの注文
フェアトレード食材を使ったメニュー・ドリンクを注文すると、1品または1杯あたり1アクションがカウントされます。
SNSにハッシュタグを付けて投稿する
InstagramやTwitterでフェアトレードについての投稿にハッシュタグ『#Fairtrade2023』を付けてポストするとアクションがカウントされます。
※Facebookはカウントできないため、対象外となります。
キャンペーンへの寄付
5月中のフェアトレード・ラベル・ジャパンへの寄付は、全額が「気候変動基金」として、途上国の生産者組合が実施する事業に充てられます。
メディアへの掲載
実はメディアに掲載されるごとに1アクションがカウントされます。このLink with SDGsの記事が掲載されることでも、1アクションにつながっているんです。
キャンペーン開催にあたって、アンバサダーの思い
キャンペーンの開催に先立ち、4月にメディア向けキックオフイベントが開催されており、各アンバサダーはフェアトレードについて以下のように語っています。
今年新たにアンバサダーに就任した女子スキージャンプ選手の髙梨沙羅さんはVTRで「スキージャンプの試合でヨーロッパ各国を転戦するなかで地球温暖化による環境問題を肌で感じています。自然の中で飛べることに感謝して、今起こっている世界の背景をより多くの人に伝えていきたいです。みんなにとって大切な場所を守る為に、環境にも優しいフェアトレードを応援しています」と、環境問題とフェアトレードへの応援について述べています。
ジャーナリスト・映画監督である堀 潤さんは「企業の本気度合いが試されますね。キャンペーンに参加している企業に期待したいです!」と語っています。
また「現場のことを知っている企業がもっと本気でやっていく。日本は経済大国と言われますが、私たち消費者がまず気づくこと。そういう(生産地や地球に配慮していない商品を作る)企業を選びませんよと」と消費者がフェアトレードを選ぶことの大切さを話しています。
エバンズ亜莉沙さんは「フェアトレードや環境へのアクションは特別なものではなく、日々の中で行うもの。今日も朝起きてから洋服を着替えて、コーヒーを飲んで。すべてどこかの誰かが手間ひまかけて作って私たちの手元に届いていることを意識することが重要だと思います」と、日常の中で取り組むことの大切さについて語りました。
「気候変動と人権の課題は深くつながりがあり、ぜひ関心をもっていただきたい。『フェア』とは作り手にとってのフェアだけでなく、消費者や企業にとってもフェアであること。消費者がその商品の生産背景を知ることも重要に思います」と、自ら知ることの重要性を述べました。
フェアトレード商品を扱うサステナブル企業のトークセッションも
キックオフイベントでは、サステナブル企業のトークセッションも行われています。
株式会社アートコーヒー 代表取締役社長 塩沢 博紀さん「コーヒー産地をめぐる様々な課題があるが、直接現地の生産者やその環境を見ている我々が生産地の課題を学び、そして消費者に伝えていく。またフェアトレードの取り組みを通して実行された成果をみんなで共有することも重要だと感じています」
楽天グループ株式会社 常務執行役員 Chief Well-Being Officer(CWO) 小林 正忠さん「我々の強みはプラットフォームであるということ。サステナブルな商品を購入できるアースモールというプラットフォームを通してフェアトレードの普及に努めたい」
イオントップバリュ株式会社 戦略本部 環境推進室 認証・イノベーショングループ マネージャー 水越 美登利さん「日本でかなり古くから国際フェアトレード認証をはじめました。現在ではコーヒーやチョコレート、ジャム、紅茶など20アイテムほどのラインナップがあります。プライベートブランドとして流通や製造の過程を工夫することで、フェアトレード商品をお手頃価格で提供し、より多くの方に手に取っていただけるように取り揃えています」
そもそもフェアトレード商品って普及しているの?
身近なSDGsの連載第1回でも取り上げたフェアトレード認証ですが、実際に日本国内で普及は進んでいるのでしょうか。
その答えが同時期のフェアトレード・ラベル・ジャパンの発表で明らかになりました。
2022年のフェアトレード認証製品の推計市場規模は、195.6億円。過去10年で最大の伸び率となり、市場規模の拡大幅で見ると前年比38億円。推計市場最大の拡大を記録した1年となっています。
その背景には、コーヒーや紅茶、バナナ、チョコレートなどでフェアトレード商品の需要が拡大したことがあります。
また、企業が社会的責任を果たすためにフェアトレードを導入する動きもあります。
さらに、政府や市民団体などからサプライチェーン上の人権への配慮を求める動きがある中で、フェアトレードは人権課題に取り組むツールとして注目されています。
ただし拡大しているとはいえ、上の図のように、実は市場規模も一人当たりのフェアトレード商品の年間購入額も、日本は欧米諸国とくらべるとまだまだ少ない現状にあります。
5月はフェアトレード月間。「フェアトレード ミリオンアクションキャンペーン2023」には一人ひとりの力が必要です。身近な物を買うときに、フェアトレード商品を選んでみませんか。
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SDGsはもちろんのこと、サステナブル・エシカルな視点から記事を制作する編集者・ライターの専門チームです。社会課題から身近にできることまで幅広く取り上げ、分かりやすくお伝えします。
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