みかんや野菜もクレヨンに!アップサイクルクレヨンでお絵描きを楽しむ
過去に化粧品をクレヨンにアップサイクルする取り組みについて記事にしましたが、今回はみかんや野菜など、食品からクレヨンへのアップサイクルをご紹介します。
いずれの商品も食品や自然由来の原材料を使用し、「万が一、口に入れてしまっても安心」なことをアピール。アップサイクルでエコフレンドリーな上に安心、と子どもが使うことも踏まえた商品づくりをしています。
「おいしいみかんが出来るまで」そのきっかけをつくりたい。そんな思いから生まれた「みかんくれよん」
「みかんくれよん」を開発したのは、『浜と里をもっとおもしろく』をスローガンに、和歌山県内の生産者の挑戦をバックアップしている地域商社。
そうした中で「おいしいみかんが出来るまで、を考えるきっかけになるプロダクトが作りたい」と思ったのが、今回の商品開発のはじまりだそうです。
間引きで落とされる摘果みかん、、温州みかんと時期をずらして収穫される雑柑(晩柑)、加工品を作る時に出る完熟みかんの皮など、通常はほとんどそのまま廃棄されてしまう農業副産物ですが、「こんな素材が和歌山みかんの魅力を発信する役割を担えればすごく素敵で、意味のあることだと考えました」とのこと。
こうして開発されたのが「おいしいみかんが出来るまでを描くクレヨン(商品名『みかんくれよん』)」。
「この色は何からできているんだろう?」と想像することで、おいしいみかんが出来るまでのプロセスを思い描くことができるクレヨンです。
クレヨンの色は以下の5色。
①摘果みかん色
おいしいみかんを作るために、年に何度も摘果(まびき)が行われます。その摘果みかんの色を再現。
②じゃばら色
和歌山県内で原種原木が見つかった、幻の柑橘「じゃばら」。その美しい黄色が表現。
③完熟みかん色
ドライフルーツやみかんジュースを作る際に出るみかんの皮を使用して「完熟みかん」の色を表現。
④みかんの枝色
美しい茶色を出すために、農家さんに乾燥させた皮を削いでもらい、作った温かみのあるやさしいブラウン。
⑤みかん炭色
役目を終えたみかんの木は伐採され、炭として使うことも。その炭の色味を表しています。
そんな「みかんくれよん」は現在、クラウドファンディングに挑戦中(4月30日まで)。
目標100万円を目指し、4月9日現在までに集まった金額は842,012円。あともう一歩です!
「みかんくれよん」がセットになったリターンが人気のようです。
原料はお米とお野菜。自然な色にこだわった「おやさいクレヨン」
一方で「おやさいクレヨン」は、グラフィックデザイナーの木村尚子さんが「野菜の色で絵を描いたらおいしそう」とアイデアの種を見つけることから始まりました。
2021年4月にはクラウドファンディングが行われ、目標達成。それ以降「おやさいクレヨン」はプロジェクトを拡大し、現在もオンラインショップで販売されています。
「おやさいクレヨン」は、万が一、口に入れても安全な素材だけでできているそうです。
小さな子どもも安心して遊べるように、米ぬかから採れた米油とライスワックスをベースに、収穫時に廃棄される野菜の外葉などを原材料に着色。野菜の色を補う顔料にも食品の着色に使われる成分を中心に採用されています。
そして愛知県名古屋市にある老舗クレヨン工場で職人が製造している品質にこだわり抜いた商品とのことです。さらに安全性の基準検査では世界で一番厳しいと言われている欧州規格の玩具の安全性試験「 EN71-3:2013(Safety of toys Part 3 2013)」をクリアしています。
クレヨンは主に青森県産の野菜を使用した10色。
りんごは加工時に剥がれる皮を原料に、ほうれんそうは規格外品や加工時にカットされる部分を使用するなど、本来は廃棄される部位などを有効活用しています。
みんなが使うことで、アップサイクル製品が「持続可能」に
これらの取り組みも、利用する人がいなければビジネスとしての持続性がありません。
生活者がこうした商品を作っている企業に賛同し、使ってくれて初めて成り立つものです。
ぜひ、いいなと思ったら購入し、子どもと一緒にお絵描きを楽しんでみてはいかがでしょうか。その行動がアップサイクル製品の「持続可能」な未来をつくります。
----------------------
■「みかんくれよん」情報提供元:株式会社はまさと
■「おやさいクレヨン」情報提供元:mizuiro株式会社
----------------------
SDGsはもちろんのこと、サステナブル・エシカルな視点から記事を制作する編集者・ライターの専門チームです。社会課題から身近にできることまで幅広く取り上げ、分かりやすくお伝えします。
他の記事を見る
OTHER ACTION