要らないパソコン、ケータイ等……小型家電を回収に出して、貴重な資源を有効活用してもらおう!
パソコンや携帯電話、ゲーム機などには「レアメタル」と呼ばれる貴重な資源が多く含まれています。
この資源は積もり積もって莫大な量となるため「都市鉱山」とも言われ、限られた資源をいかに有効活用するかが社会課題となっていました。
そこで日本では2013年から通称「小型家電リサイクル法」(使用済小型家電電子機器等の再資源化の促進に関する法律)が施行され、10年にわたって小型家電のリサイクルが行われています。
そこで今回、小型家電リサイクルの現状と、いま私たちがリサイクルできる方法をお伝えします。
そもそもレアメタルって?
レアメタルは、国立研究開発法人「物質・材料研究機構」によると以下のように定義されています。
レアメタルは、地殻中の存在量が比較的少なかったり、採掘と精錬のコストが高いなどの理由で流通・使用量が少ない非鉄金属を指し、一般的に以下の元素のことを指します。
一方で都市鉱山とは、以下のように解説されています。
都市鉱山とは、1988年に東北大選鉱製錬研究所の南條道夫教授らによって提唱されたリサイクル概念で、地上に蓄積された工業製品を資源とみなして「都市鉱山」と名付け、資源をそこから積極的に取り出すこと試みる概念です。
自然の鉱山からの探索と採鉱・精錬と比べて、都市鉱山は回収してリサイクルをすれば資源の節約と省エネルギーになるため、SDGsの観点からも有用であると考えられています。
小型家電リサイクル法の施行後、どれくらいの小型家電が回収されているの?
小型家電の回収は下図のように年々増えています。
令和02年度(2020年度)ベースでは約10万トンの小型家電から再資源化される金属の重量は「52,222トン」にもなります(環境省「認定事業者による再資源化実績[PDF 471KB]」)。
資源価格は高騰しており、52,222トンの資源は、令和2年6月時点での資源価格が45億円だったものが、令和3年6月時点での資源価格では70.4億円にも上がりました。
つまり現状の小型家電のリサイクル状況では、およそ毎年70億円分の資源が再利用されているのです。 ※ただし資源価格によって変動はあります。
また、もし小型家電を「ゴミ」として捨ててしまった場合は、焼却や埋め立てなどの「ゴミとしての処分に掛かる費用」や、埋め立て地の圧迫などになるため、これら処分費用を削減できるメリットなどもあります。
捨てれば「ゴミ」としてコストが掛かり、リサイクルに出せば「資源」として国や自治体の利益になり、最終的には私たち一人ひとりの利益になる。
そういった観点からも小型家電のリサイクルは一人ひとりが取り組むべき理由となります。
小型家電リサイクルに該当する物は?
小型家電リサイクルには様々な回収方法があり、実は「小型家電」に該当する物は自治体や回収業者によって異なります。
まずは「小型家電 お住まいの自治体名」で検索をし、お住まいの自治体では何を回収しているのかを調べてみましょう。
どうやって回収に出せばいい?
小型家電のリサイクルは、大きく分けると以下の2つの回収方法があります。
①市町村での回収
②認定事業者による回収
①市町村での回収
市町村では主に以下の方法で回収を行っています(自治体により行っていない回収方法もあります)。
・ボックス回収
回収ボックスを公共施設や小売店等に設置し、定期的に回収
・ステーション回収
ゴミ回収場所で定期的に行っている資源回収と合わせて回収
・イベント回収
イベント開催の期間に限定して会場で回収
・ピックアップ回収
回収された通常のゴミや資源から、清掃工場等で選別
②認定事業者による回収
認定事業者による回収方法は、以下になります。
・小売業者による回収
家電量販店やりユースショップで回収
・拠点回収
認定事業者が回収拠点を設置したり引き取りを行う
・宅配回収
インターネットで受け付け、宅配業者が希望の日時に回収
《2023年現在で宅配回収を行っている認定事業者は1社のみで、リネットジャパンによるものです》
パソコン無料回収のリネットジャパン https://www.renet.jp/
《回収品目》
・デスク・ノート・タブレット・一体型等、どんなパソコンも回収対象
パソコン周辺機器も一緒に回収可能(モニター、マウス、キーボード、パソコンパーツ、基盤)
《回収可能なサイズ・重さ》
・縦+横+高さの合計が140cm以内の段ボールに収まる小型家電
・重量20kg以内
《宅配回収の流れ》
小型家電リサイクルの注意点
実は認定事業者以外の「無許可」の業者が存在し、回収を行っています。
環境省はそういった業者を利用しないよう、呼びかけています。
無許可の業者に引き渡すと、不法投棄や不適正処理、不適正な管理による火災などが発生する恐れがあり、むしろ環境に悪影響を及ぼす可能性があるのです。
小型家電リサイクルは自治体または認定事業者に出すようにしましょう。
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