
今日からできる家庭のフードロス削減術!野菜の賢い保存方法からコンポストまで【2025年最新版】
「まだ食べられるのに、捨ててしまった…」そんな経験はありませんか?
実は、日本の食品ロス(フードロス)の量は年間523万トン。このうち、約半数の244万トンは、私たち一般家庭から発生しています(※)。これは、日本人一人ひとりが毎日お茶碗1杯分(約114g)のご飯を捨てているのと同じ量(国全体のロス換算)です。
この問題は、SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」にも深く関わっています。世界には満足に食事ができない人々がいる一方で、大量の食料が捨てられているという現実があるのです。
「なんだか、大きな問題で自分には何もできなさそう…」と感じるかもしれません。でも、大丈夫。日々のちょっとした工夫で、家庭のフードロスは大きく減らすことができます。
この記事では、「買い物」「保存」「調理」「処分」の4つのステップに分けて、今日からすぐに始められるフードロス削減の具体的なアクションをご紹介します。環境のためにも、お財布のためにもなる、一石二鳥のテクニックを始めてみませんか?
※出典:農林水産省「食品ロス量の推移(平成24~令和3年度)」
フードロスは買い物から!賢い買い物の3つのコツ
フードロス対策は、食材を家に持ち帰る前から始まっています。買い物の際に少し意識を変えるだけで、無駄をぐっと減らすことができます。
コツ1:買い物前に「冷蔵庫の中」をチェックする
基本ですが、最も効果的なのが「家にある食材を把握してから買い物に行く」ことです。同じものを買ってしまう「ダブり買い」や、使いきれないほどの量を買ってしまう「買いすぎ」を防ぎます。
冷蔵庫の中をスマホで撮影しておけば、外出先でも簡単にチェックできるのでおすすめです。
コツ2:すぐに使うなら「てまえどり」を意識する
「てまえどり」とは、商品棚の手前にある、販売期限が近い商品から積極的に選ぶ購買行動のこと。すぐに使う食材であれば、期限が近いものでも全く問題ありません。
私たちが「てまえどり」を実践することで、お店の売れ残りや廃棄を減らすことに繋がり、社会全体のフードロス削減に貢献できます。
コツ3:必要な分だけ買う(ばら売り・量り売りを活用)
家族の人数や食べる量に合わせて、必要な分だけ購入するのも大切なポイントです。最近では、野菜のばら売りや、ナッツなどの量り売りを行うお店も増えています。パック商品よりも少し割高に感じるかもしれませんが、使い切れずに捨ててしまうことを考えれば、結果的に節約に繋がります。
食材が長持ち!今日から使える正しい保存テクニック
せっかく買ってきた食材も、正しく保存しないとすぐに傷んでしまいます。食材の特性に合わせた一手間で、鮮度を長く保ちましょう。
【野菜別】鮮度をキープするひと工夫
- 葉物野菜(ほうれん草、レタスなど):湿らせたキッチンペーパーで根元を包み、ポリ袋に入れて野菜室で「立てて」保存します。
- 根菜(大根、にんじんなど):葉がついている場合は、葉が根の栄養を奪ってしまうため、切り落としてから保存します。新聞紙に包み、冷暗所か野菜室で保存しましょう。
- じゃがいも:光に当たると芽が出やすくなるため、りんごと一緒に紙袋などに入れ、光の当たらない涼しい場所で常温保存するのがおすすめです。
肉・魚は「下処理+冷凍」で鮮度と時短を両立
肉や魚は、買ってきたパックのまま冷凍するのではなく、一手間加えるのがポイントです。
- 1回分に小分けする:使う分量ごとにラップで包んでおくと、解凍しやすく、料理の時短にも繋がります。
- 下味をつけてから冷凍:醤油や味噌などで下味をつけてから冷凍する「下味冷凍」も便利です。味も染み込み、調理の手間が省けます。
“もったいない”を“おいしい”に!食べきるための調理アイデア
普段捨ててしまいがちな部分も、工夫次第でおいしい一品に変わります。創造力を働かせて、食材を丸ごと味わい尽くしましょう。
アイデア1:野菜の皮や芯でつくる「ベジブロス」
ベジブロスとは、野菜の皮やヘタ、芯などを煮出してつくる「野菜だし」のこと。野菜の栄養やうまみが溶け出し、驚くほどおいしいスープの素になります。カレーや煮込み料理、リゾットなどに活用すれば、料理にぐっと深みが出ます。
<簡単ベジブロスの作り方>
- よく洗った野菜の皮やヘタ、芯などを鍋に入れる。
- 全体が浸るくらいの水と、あれば料理酒を少々加える。
- 弱火で20〜30分ほど煮て、ざるで濾せば完成。
アイデア2:残り物で簡単「リメイクレシピ」
中途半端に余ってしまった料理は、別のメニューに生まれ変わらせてみましょう。
- カレー → カレーうどん、カレードリア
- 肉じゃが → コロッケ、和風オムレツ
- ポテトサラダ → チーズを乗せてトースターで焼く
それでも出てしまう生ごみは「資源」に変える
どんなに工夫しても、どうしても出てしまう卵の殻や魚の骨などの生ごみ。これらを「ごみ」ではなく「資源」として活用するのが「コンポスト」です。
コンポストとは、微生物の力を借りて生ごみを発酵・分解させ、栄養豊富な土(堆肥)に変えること。家庭のごみを減らせるだけでなく、できた堆肥は家庭菜園やガーデニングに利用できます。
- 初心者向け:段ボールと基材さえあれば始められる「段ボールコンポスト」
- ベランダで:デザイン性も高く、虫なども発生しにくい「LFCコンポスト」などのバッグ型コンポスター
- 庭があるなら:一度に多くの量を処理できる「据え置き型コンポスター」
マンションのベランダで使えるものも多く登場しているので、ライフスタイルに合わせて選んでみてはいかがでしょうか。
まとめ:できることから始めて、フードロス削減の達人に
家庭のフードロス削減は、難しいことではありません。
- ●買う前に、冷蔵庫をチェックする
- ●食材を正しく保存する
- ●残り物をリメイクしてみる
- ●コンポストに挑戦してみる
今回ご紹介した中から、まずは一つでも「これならできそう」と思えるものから試してみてください。その小さな一歩が、環境を守り、あなたのお財布を助け、そして世界の食料問題の解決にも繋がっています。
SDGsはもちろんのこと、サステナブル・エシカルな視点から記事を制作する編集者・ライターの専門チームです。社会課題から身近にできることまで幅広く取り上げ、分かりやすくお伝えします。
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