「大豆でつくる鰹節」から農園直結カフェまで、未来の食卓を彩るサステナブルフード最前線 vol.2

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「大豆でつくる鰹節」から農園直結カフェまで、未来の食卓を彩るサステナブルフード最前線 vol.2

Link with SDGs編集部最終更新日: 2025-06-11

プラントベース食材からアップサイクルおやつ、農園直結カフェまで。いま日本各地で、「環境にやさしく、身体にもやさしい」食の挑戦が加速しています。第二弾となる本記事では、地球と私たちの明日をおいしく支える最新トピックを厳選してお届けします。

INDEX

和食の命“かつお節”を大豆で再現――『プラント de リッチ大豆のかつお節』
北海道産金時豆で“和スイーツ”化――『ZENBブレッド金時豆』
ジュース残渣をザクッと“食べるサラダ”に――『THIS IS SALAD 有機ビーツとリンゴの板グラノーラ』
ブルーベリー畑で“自分に立ち帰る”――広島・世羅のプラントベースカフェ『pakan』

和食の命“かつお節”を大豆で再現――『プラント de リッチ大豆のかつお節』

鰹漁獲量の減少と原料価格高騰という課題を背景に、池田糖化工業が「大豆のかつお節」を開発しました。
魚を一切使わず、独自の成型・風味付与技術（特許出願中）で削り節らしい香りと削り感を実現。0.5 kgパックで常温8か月保存と取り扱いも簡便です。

開発のきっかけは、「日本の和食文化を次世代に残したい」という同社の想い。
プラントベース食材を選択肢に加えることで、魚介アレルギーやベジタリアン、ハラール対応メニューなど多様な食文化にも貢献します。
環境面では、大豆由来に置き換えることで海洋資源へのプレッシャーを軽減しながら、和食の“旨み”を守るサステナブル策と言えそうです。

池田糖化工業株式会社
https://www.ikedatohka.co.jp/

北海道産金時豆で“和スイーツ”化――『ZENBブレッド金時豆』

「小麦でも米粉でもない第3のパン」を掲げるZENBブレッドに、北海道産金時豆入りフレーバーが新登場しました。
主原料は黄えんどう豆粉。グルテン濃度10 ppm以下に管理し、小麦・バター・卵も不使用。糖質は一般的な菓子パン比で26 %オフ、1個161 kcalとヘルシーです。

豆類は根粒菌により空気中の窒素を固定するため化学肥料を削減でき、栽培時の温室効果ガス排出も少ない“サステナブル作物”。さらに常温4か月保存のロングライフ設計がフードロス抑制に寄与します。
4月の阪急うめだ本店ポップアップでは試食者全員が「おいしい」と回答し評価4.5/5を獲得。健康と環境の両立を消費者が体感できる逸品です。

ZENB JAPAN（株式会社Mizkan Holdings）
https://zenb.jp

ジュース残渣をザクッと“食べるサラダ”に――『THIS IS SALAD 有機ビーツとリンゴの板グラノーラ』

東京バルのアップサイクルブランド「KAWAÌINE」が、ビオセボン先行で限定発売した板グラノーラ。茨城のベルファームで搾汁後に残るビーツ&リンゴの繊維質を生地化し、レーズンやサツマイモをプラス。通常廃棄される部位を“ザクッ”とした新食感のおやつに転換しました。

ビーツは鉄分や葉酸など栄養豊富で、血流改善・抗酸化作用が期待される野菜。アップサイクルによるフードロス削減と、植物性原料100 %という環境配慮を両立しつつ、パッケージは淡いピンクでギフト需要にも対応。
東京バルは自社ラボで葉・皮など栄養価の高い部位を活かす研究を続けており、「日本の素材の魅力を世界へ」というビジョンのもとカーボンニュートラルも視野に入れています。

株式会社東京バル
https://tokyobal.co.jp/

ブルーベリー畑で“自分に立ち帰る”――広島・世羅のプラントベースカフェ『pakan』

世羅町のブルーベリー＆ブドウ農園に5月オープンした「pakan」は、11種スパイスのカレーや100 %植物性キャロットケーキ、豆乳×メープルシロップのビーガンジェラートなど“罪悪感の少ないごちそう”を提供。
瀬戸内レモンのブリュレチーズケーキなど、地元食材の魅力を引き出すメニューが揃います。

断食リトリート経験を持つ代表の「シンプルな自分に戻れる場所にしたい」という思いから、食材選定から調理法まで身体と心への負担を最小限に設計。農園直結の供給体制で輸送距離を削減し、地域経済と観光活性にも貢献するとのこと。
今後はジェラート製造やリトリート開催、レンタルスペースなど多角展開を予定。自然と調和した“リジェネラティブな場づくり”に挑む注目スポットです。