卒業後の制服はどうしてる?卒業シーズンに考えたい、学生服とサーキュラーエコノミー
3月といえば卒業式。皆さんは卒業後に制服を処分したでしょうか?
調査によると、リサイクルやリユース、寄贈なども含めた資源循環を意識した行動は30%弱(カンコー学生服 https://kanko-gakuseifuku.co.jp)。まだまだ多いとは言いがたい状況です。
そこで今回は学生服についての意識調査をご紹介するとともに、そんな学生服の循環プロジェクトについてもご紹介します。
全国の高校生1200人に調査!卒業後の制服はどうしましたか?
学生服の製造販売を行っているカンコー学生服は、2024年1月に「卒業後の制服とエコ意識」をテーマに全国の高校生1200人に調査を実施しています。
■中学校で着用していた制服タイプは?
男子は詰襟(学ラン)が多く、女子はブレザーが多いという結果に。
まだまだ学ランが多いことは意外ですね。そしてセーラー服は30.8%と減りつつあるようです。
近年ではスカートと性自認が一致しないということで、スラックスを選択できる学校も増えつつあり、そうした場合はブレザーの方が合わせられる、という事情もあるのかもしれません。
多様性への意識の高まりを受けて、制服の姿も変わっていきそうです。
■中学校の制服は卒業してからどうしてる?
再利用や再資源化につながる5つの回答(お下がりで譲った、寄贈した、リユース・リサイクルに出した、インターネットで販売した)を合計すると約30%に。
一方で「ゴミとして捨てた」という回答は5.4%。「今も保管している」は50.7%です。
■制服がエコ活動に役立つことに対して、どう思う?
自分が着ていた制服がエコ活動に役立つことに対して、「とてもよい」「まあよい」を合わせると76.2%に。
学校教育の場でもSDGsが用いられていることから、学生への意識は高まっていると考えられます。
「今も保管している」と答えた方へ……ぜひ知っていただきたいプロジェクト
50%以上が「今も保管している」とのことで、タンスにしまったままの人にもぜひ知ってほしいのがカンコー学生服×BRING™の「制服・体操服の循環型プロジェクト」です。
カンコー学生服は、学校制服や体操服などの製造において、持続可能な開発目標(SDGs)の達成を支援し、子どもたちの未来に必要な力を育むことを重視しています。最近では、リデュースやリユースなどの試みも行っていますが、制服や体操服の廃棄が依然として課題となっていました。
そこで2023年11月に、資源循環の技術や仕組みを持つ株式会社JEPLANが運営する「服から服をつくる™」サーキュラーエコノミーを実装するブランド「BRING™」と連携し、「制服・体操服の循環型プロジェクト」が立ち上げられました。
制服や体操服を捨てるのではなく、回収して循環させる取り組みが始まりまっています。また、このプロジェクトでは、循環型商品の開発や子どもたちが主体的に学び、実践できる機会を提供することで、環境配慮への取り組みをさらに推進します。
制服・体操服の循環型プロジェクトでは、カンコー学生服とBRING™が連携し、制服や体操服をリユース・リサイクルする取り組みを展開しています。
①カンコーとJEPLANが協力して、各地域の学校にオリジナル回収BOXを設置。制服や体操服の回収を行い、回収実績の証明書を発行する。
設置場所:
- ●全国の中学校や高等学校
- ●カンコー学生服の直営店
設置目標校数:2026年までに500校を目指す。
回収品受け取り証明書により、子どもたちが活動の成果を実感できるスキームに。
②再生原料である「BRING Material™」を使用した制服や体操服の開発を行う。
③未来を担う子どもたち向けに、衣料品循環に関するセミナーや講義を実施。回収した制服をどのように循環させるか、子どもたちが主体的に考えられる機会を提供する。
スタートしたばかりのプロジェクトで、まだ全国の学校へ設置されているわけではありませんが、ぜひこういった取り組みを知り、「捨てる」以外の選択肢もあるのだと知って頂ければ幸いです。
SDGsはもちろんのこと、サステナブル・エシカルな視点から記事を制作する編集者・ライターの専門チームです。社会課題から身近にできることまで幅広く取り上げ、分かりやすくお伝えします。
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