能登半島地震、復興支援のためのふるさと納税をワンストップで控除したいなら、12月31日までが期限です!《ふるさと納税で寄付をする方法》
2024年1月1日、元日から能登半島では大地震が発生し、石川県およびその周辺地域では大変な被害にあわれた方も多くいらっしゃいます。
また復興途上において、同年9月には豪雨災害にもあわれ、さらに多くの被害が発生しました。
被害にあわれた皆さまに対しまして、心よりお見舞い申し上げます。
そうした中、災害にあわれた方々に対して、遠方の人でも「今すぐできる支援」として寄付をする方法をLink with SDGsでもお伝えしてきました。
中でも今年の災害で「ふるさと納税での寄付」ができる方法を知った方も多いのではないかと思います。
その令和6年能登半島地震に対する寄付総額は、それぞれ楽天ふるさと納税「約20億6110万 円」、ふるさとチョイス災害支援「約20億4306万円」、さとふる「約15億6302万円」と、多くの寄付金が集まっています。
ふるさと納税には給与所得者向けの「ワンストップ特例制度」と「確定申告」の2種類の申請方法がありますが、今年度の「ワンストップ特例制度」での支払期限は12月31日まで!
そこで今回はワンストップ特例制度でふるさと納税で寄付をする方法についてご紹介します。
ワンストップ特例制度って?
ワンストップ特例制度とは「ふるさと納税をした後に、住民税の控除を受けるための制度」です。
住民税の控除とは、「支払う住民税が減ること」です。
勤め先などで年末調整を受けている人は、(他に申告するものがなければ)確定申告をしなくても寄付金控除を受けられる便利な仕組みです。
ただしワンストップでの申請には以下に当てはまる必要があります。
①確定申告をする必要がない人
個人事業主の人や年間2,000万円以上の給与所得者は「確定申告」で申請する必要があります。
また、医療費控除を受ける人など、他に申告するものがある人は、確定申告を行う時にワンストップ特例制度の申請が無効となってしまうため、ふるさと納税も「確定申告」で申請する必要があるため注意が必要です。
②1年間の寄付先が5自治体以内の人
6つの自治体に寄付を行った人は、確定申告で申請する必要があります。
なお同じ自治体に複数回の寄付を行った場合は、1自治体として数えられます。
ふるさと納税の期限はいつまで?
ふるさと納税のワンストップ特例制度には、支払期限と申請期限、2つの期限があります。
申し込み期間(支払期限):決済完了が《12月31日 23:59まで》
申請期限:申込書と本人確認書類が《2025年1月10月必着》
この期限を過ぎるとワンストップ特例制度での2024年度の控除ができませんのでご注意ください。
※上記期間を過ぎても、確定申告の申請は可能なので、もし間に合わない方はふるさと納税のWEBサイトをご参照ください。
また、支払方法によっても「決済完了」とされる日が異なるので注意が必要です。
クレジットカードなどのオンライン決済:決済が完了した日
銀行振り込み:指定口座に振り込んだ日
コンビニ払い:入金をした日
※その他、ふるさと納税の事業者や自治体などによって決済方法が異なりますので、詳しくはふるさと納税のWEBサイトをご参照ください。
どんな流れ?
ふるさと納税の寄付から住民税が控除されるまで、上図のような流れになります。
①12月31日までに寄付をする。
②2025年1月10日までに自治体へワンストップ特例申請を行う(郵送の場合は必着)。
③2025年6月~2026年5月まで住民税が控除される。
ふるさと納税はどこから寄付ができるの?
以下の事業者が、ふるさと納税によって寄付を行っています。
いずれの事業者も、冒頭にお伝えした通り15億~20億の寄付を行っている大手です。
寄付の決済方法なども事業者によって異なるため、詳しくは以下をご参照ください。
【寄付する】
住民税が控除されたか、どうやって確認するの?
2024年にふるさと納税をした人は、2025年の5月以降に届く「住民税決定通知書」で控除された金額を確認できます。
基本的には、住民税決定通知書の「摘要」欄に、ふるさと納税による「寄附金税額控除額」の金額が書いてあります。
※自治体によっては、記載される欄が異なる場合があります。
ふるさと納税では、いくら税が控除されるの?
ワンストップ特例制度と確定申告の場合で、税の控除のされ方が少し異なります。
①ワンストップ特例制度:住民税から控除(減額)
②確定申告:所得税の還付と住民税の控除(減額)
①と②でトータルの還付、控除される額は変わりません。ただし医療費控除や住宅ローン控除を受ける方は控除額が変わる場合があります。
医療費控除や住宅ローン控除を行わない方は、以下のシミュレーションで控除上限額の目安を知ることができます。
https://furunavi.jp/deduction.aspx(外部サイト:ふるなび)
上記のシミュレーションより、「かんたん!簡易シミュレーション」ではざっくりとした上限額が、「詳しく!本格シミュレーション」ではより詳細な上限額を分かります。
また、三越伊勢丹ふるさと納税のシミュレーターでは、給与所得の源泉徴収票と同じ見た目の画面で入力していくと、控除上限額や実際の控除額を簡単に計算できるため、分かりやすいです。
https://mifurusato.jp/simulator.html(外部サイト:三越伊勢丹ふるさと納税)
仮にこちらで「給与所得控除後の金額(調整控除後)」の欄に「5000000」、配偶者や扶養などを全て0のままで入力すると、
お客様は132,640円までの寄付なら、自己負担2,000円で済みます。
実際の控除額を計算
自治体に寄付する金額円
所得税は26,800円、住民税は104,000円軽減されます。
との結果が。
上記は確定申告のイメージですので、ワンストップ特例制度の場合は 26,800円+ 104,000円 =130,800円が住民税で軽減される見込みです。
※上記のシミュレーションや金額はあくまで目安です。
結局、ふるさと納税での寄付ってどんなメリットがあるの?
ふるさと納税のメリットとしては、以下に挙げられます。
①寄付することで、自分の住民税が軽減される。
②本来、自分が住民税として支払う金額が、寄付として被災地の自治体へ渡る。
=自分が払う住民税の用途を「復興に使ってくださいね」と指定するイメージに近く、より自分の意志が反映された地方自治が行われるとも考えられる。
③ふるさと納税は「直接、被災地の自治体へ送られる」ため、地域全体の復興に役立てられる資金となる。
能登半島の復興へ向けて、何ができる?
能登半島と、その周辺の被災地は、未だ災害の傷跡を大きく残しています。
FNNプライムオンライン(富山テレビ)によると、以下のように報じられています。
県のまとめによりますと、能登半島地震による県内の住宅被害は2万2281件で、このうち全壊が氷見市で2件増え、233件となったほか、半壊が氷見市で5件増えて501件、小矢部市で1件増えて40件となりました。
また、公費解体について先月末までに県全体で1103棟の申請があり、解体済となったのは176棟と全体の15.9%に留まっています。
この「公費解体が進まない」状況には様々な見解がありますが、その一つには公費解体の申請の仕組み上のことがあるようです。
一方で、従来は「国は原則として、私有財産の形成に資するものには公的支援を行わない方針」であったことを、2007年の能登半島地震の際に「住宅再建なくして地域コミュニティの復興はない」との判断から、住宅再建への公費充当へ舵を切り始めました(出所:金沢大学 武田公子氏著「能登半島地震発災から半年間の自治体財政」)。
しかし県や国からの財政支援は、被災地の市町村の立場からは想定しにくく、未だ多額の予算が必要な状況にあります。
こうした地方自治体に対し、直接の復興予算として利用できるふるさと納税による寄付は、災害復興への新しい支援方法とも言えます。
もし2024年の年末調整を前に、ふるさと納税の上限額に達していなければ、被災地への寄付を検討してみてはいかがでしょうか。
SDGsはもちろんのこと、サステナブル・エシカルな視点から記事を制作する編集者・ライターの専門チームです。社会課題から身近にできることまで幅広く取り上げ、分かりやすくお伝えします。
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