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ワークマンってSDGs的にどうなんだろう?と思って詳しく調べたお話 – いますぐできる身近なSDGs|リンクウィズSDGs

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ワークマンってSDGs的にどうなんだろう?と思って詳しく調べたお話

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筆者が家族が使うレインコートを探しに、ワークマンへ立ち寄った時のこと。

レインコートだけでなく、服や靴など安くて品質の良さそうな商品のオンパレードに、思わず「これってSDGs的にはどうなんだろう?」と素朴に思ったのが本記事を書こうと思ったきっかけです。

ワークマンの2023年度の有価証券報告書によると、多くの商品が製造は主に中国やASEAN諸国で行っているとのこと。

今回はワークマンのSDGsについて「その生産国では公正な取引が行われている?」「サステナブルな商品は作っている?」など、疑問に思ったことを中心に調査しました。

商品を製造する上で、健全な取引を行っているの?

以前、ファストファッションの特集でも取り上げたように、輸入商品は現地の工場で「人権リスクが起こらない仕組みで製造しているか」がとても重要になります。

そこで着目すべきは、ワークマンの「CSR調達ガイドライン」と「ワークマン生産パートナー向け行動規範」です。

 

「CSR調達ガイドライン」とは、多くの輸入企業が取り入れているもので、CSR(企業の社会的責任)活動の一環として、取引先やサプライヤーに対して責任ある調達を求めることで、企業全体で持続可能なサプライチェーンを実現しようとするものです。

ワークマンのCSR調達ガイドラインには、SDGsの観点から見ても重要な以下の2つが定義されています。

【児童労働・強制労働の禁止】

■生産パートナーは、たとえ法令等に違反しなくとも、15 歳又は義務教育を修了する年齢のいずれか高い年齢未満の者を労働に従事させてはならない。

■生産パートナーは、たとえ法令等に違反しなくとも、労働者個人の自由な意思に反して労働をさせてはならない。例えば、拘束労働、強制労働、奴隷労働、又は人身取引を通じた労働をさせてはならない。

■生産パートナーは、労働者に対し、労働とは無関係に労働者を心理的又は法的に拘束すること等を目的として、労働者の個人的な財物、情報等の提供を要求してはならない。また、労働者の移動の自由は、これを制限してはならない。

 

また、この他にも「労働安全衛生の徹底」「ディーセントワークの実現」「ワークライフバランスの確保」などの項目があり、働きやすい職場環境の整備なども規定しています。

 

一方で「生産パートナー向け行動規範」とは、生産パートナー(サプライヤーや工場など)に対して、守るべき倫理的・法的な行動基準を定めた規範のことです。

この規範では、労働に関してCSR調達ガイドラインとほぼ同じ内容のことも書かれていますが、以下のように「労働時間」については、より具体的な記載もあります。

(労働時間)

生産パートナーは、法令等に定められた労働時間を遵守しなければならず、いかなる状況においても一週間の正規の労働時間は 48 時間を超えてはならず、残業も含めた一週間の労働時間は 60 時間を越えてはならない。また、生産パートナーは、労働者に7日に1度は連続した 24 時間の休暇を与えなければならない。

なお、生産パートナーは、労働者に対して、残業時間については割増賃金を支払われなければならない。

 

以上のことから、ワークマンが工場での労働問題に配慮したガイドラインと規範をもって事業活動を行っていることがわかります。

ただしいくらガイドラインや規範を設けても、現地で破られていては意味がありません。

そういう意味では、ワークマンは「工場監査」を行っており、工場経営や労働環境の基準を満たした工場とだけ契約を結び、生産時も監査を行っているとのことです。

サステナブルな商品は作っているの?

以下はワークマンのサステナブル商品の開発状況と見通しです。

表の折れ線グラフの部分が、ワークマンのプライベートブランドのうち、サステナブル商品の構成比です。

サステナブル商品の構成比が2024年度は14.6%だったものが、2031年度までに19%へ拡充する見通しで、いま現在もたくさんのサステナブル商品が開発中であることが分かります。

なお、プレスリリースによると、ワークマンのサステナブル化の原則は以下になります。

サステナブル製品の開発原則

①既存製品を値上せずにサステナブルな製品に置き換える値上げをするとサステナブル「未」対応品へ需要が移るため意味がない
②2030年までにサステナブル製品比率を全PB製品の5割にする

当社は原則としてノルマや期限のない会社ですが、サステナブル化に関しては努力目標を設定期限が多少伸びることがあっても、5割の比率目標は必ず達成します(できるまでやるので)」とのことで、サステナブル商品はさらに増やしていくようです。

サステナブル商品の開発コンセプトは?

ワークマンのサステナブル商品には以下のようなマークが付けられるので、このマークが目印になっています。

これらサステナブル商品の開発にあたっては、以下のようにサステナブルとはいえ安易な値上げをせず、「価格帯を維持しながら」商品開発することを表明しています。

 当社は、機能性ウエアで「機能と価格に新基準」を作ることを存在意義にしています。エコ素材の使用や環境に配慮した生産など、サステナブルな商品開発にはコストが掛かります。安易な値上げでお客様に負担を転嫁すると需要が減退し、結果として商品廃棄の増加など環境にマイナス影響をもたらします。ワークマンは価格帯を維持しながら、企業努力と技術革新でサステナブル商品の開発を促進します。

具体的にどんなサステナブル商品をつくっているの?

ワークマンでは以下のように様々なサステナブル商品を開発しています。

 

●サステナブルデニム

デニムは、従来の生産方法では
・生産時に大量の水を使用する
・風合いを出すために塩素系薬品を使って洗い加工を行う
など、環境負荷が掛かる生産工程が必要となります。

そこでワークマンでは、染色時の排水制限や濾過装置を経由した排水を徹底するほか、レーザー処理による「洗い加工」や「あたり」によって排水を大幅に削減し、サステナブルデニムの製造を行っているとのことです。

 

●リサイクル素材の利用

ワークマンでは主力商品であるTシャツやポロシャツ、シェルジャケットなどに、ペットボトルから再生した原料を使ったポリエステル繊維(ペットボトル再生糸)を採用しています。

ペットボトル再生糸は、石油からつくられる繊維と比べて、CO2排出量を60%に削減できるのだそうです。

 

●Green TECHシリーズ

画像提供:ワークマン

Green TECHシリーズとは、天然繊維と特殊な技術によって機能性を高めた、環境にやさしいサステナブル素材を用いた商品ラインナップです。

ワークマンがサステナブルに取り組む本当の理由とは?

公式ホームページには、サステナブルに取り組むきっかけになった事柄については、そこまで書かれていないようです。

しかしワークマンのニュースリリースには、その本音とも見て取れる記載がありました。

ワークマンはもともと防寒衣料が強く、厳冬期になると売上が跳ね上がっていました。ところが最近の暖冬傾向により、本命の「重防寒」衣料の成長が鈍化しています。本業にも影響が出始めたため、当社は地球温暖化対策に本気で取り組んでいます。今回のサステナブル製品の210億円は金額的には多くはありませんが、毎年Green TECHや和紙製品などの新たな素材が生まれていることは明るい材料です。今後も、ワークマンはサステナブルな新製品の開発にジミチに取り組んでいきます。

ただ消費者や投資家向けの「サステナブル」なのではなく、防寒衣料の成長鈍化に対して「温暖化などによって本業が影響が出始めた」と自分ごととして捉え、本気で取り組んでいるとしています。

ワークマンは近年、「#ワークマン女子」などでプロモーションを行うなど、業界に新たな風を吹かせています。筆者がレインコートを買いに行ったように、これまで店舗に足を踏み入れたことのない層も取り込みながら、拡大しています。

まだ「作業服」のワークマンという従来のイメージを持つ方もいますでしょうか。機能性が高く、普段着にも使えて、何より安い(ただし決してファストファッションではない)。しかもサステナブルな商品も増えている。ぜひ一度、お店に足を運んでみては。

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■情報提供元:株式会社ワークマン

https://www.workman.co.jp/
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