「蜜蝋ラップ」で家庭からはじめる脱プラスチック
近年、環境に影響を与えるプラスチックごみを減らすため、脱プラスチックを目指す動きが広がってきています。
飲食店やコンビニなどさまざまな店舗で取り組みが行われていますが、個人ではなにから始めていいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。
今回、そんな方にご紹介したいのが、食品の保存などによく使うプラスチック製のラップの代わりに「蜜蝋(みつろう)ラップ」を使うアイデアです。
蜜蝋ラップとは?
「蜜蝋ラップ」とは、布に蜜蝋を染み込ませて作る天然素材のラップのことです。
蜜蝋はミツバチの巣から取れる蝋で、抗菌性と天然の保存性があるため食品の持ちが良いというメリットがあります。
蜜蝋の他にもホホバオイルなどの植物性オイルや天然樹脂などで布をコーティングしてつくられることもありますが、基本的にオーガニック素材でできていることが多く、プラスチック製のラップの代替品として近年注目を集めています。
蜜蝋ラップのメリットと使い方
蜜蝋ラップの一番のメリットは、水で洗って何度も繰り返し使えるため環境にも優しく経済的な点です。
また、蜜蝋の特徴としての保湿性と抗菌性に加えて適度な通気性もあるため、食品を密閉することなく、鮮度を長く保つことができます。
最近ではおしゃれな柄の蜜蝋ラップも増え、好みのデザインを選ぶ楽しみもあります。
蜜蝋ラップは体温ほどの温度でやわらかくなり、冷たくなると固まる性質があります。
そのため、手でしばらく包むようにしてやわらかくすると、器などにフィットさせることができます。
さらにそのまま冷蔵庫で冷やすと自然に固まってくれるため、おかずなどを入れた容器にもしっかり蓋ができます。
自由に形が変えられるためさまざまなシーンで活用できますが、ここではいくつかの例をご紹介します。
1. 蓋としてかぶせる
蜜蝋ラップは台所のほとんどの素材の容器にしっかりとくっついてくれるため、作り置きのおかずが入った容器などにかぶせて保存ができます。
その他、冷蔵庫に残った飲み物の保存、瓶の蓋代わりなどにも。
2. 食べ物を包む
お弁当に持っていくおにぎりやパン、サンドイッチなどはもちろん、野菜や果物も包めます。
一回では使い切れなかったニンジンなども、断面を包むようにして保存することで乾燥を防いで鮮度を保てます。
3.お皿の代わりに使う
自由に形が整えられるため、折り紙のように形を整えるとお皿の代わりにも。
ピクニックでお菓子を広げたり、洗った果物を入れたりもできる上に、残ったらそのまま包んで持ち帰ることもできます。
お手入れと気をつけておきたいこと
蜜蝋ラップはお手入れもとっても簡単で、水で洗って乾かすだけです。
水だけでは落ちない汚れがある時は中性洗剤で優しく洗い、自然乾燥させて風通しの良い場所で保管しましょう。
気をつけることとしては、蜜蝋は熱で溶けてしまうため、熱いものを包んだり、電子レンジやオーブンでの使用はできません。
その特性上、熱いお湯で洗って消毒ができないため、生肉や生魚を直接包むのも避けましょう。
また、蜜蝋と蜂蜜は別物ですが、蜂蜜アレルギーの人や1歳未満の乳児には念のため使用しないほうが安全です。
少しだけ気をつけることはありますが、蜜蝋ラップを使いはじめると思った以上に便利だという声も多いようです。
いきなりプラスチック製のラップを使わない生活に切り替えるのは難しいため、まずは一か所だけ蜜蝋ラップを取り入れてみるなど、気軽な気持ちではじめてみませんか。
----------------------
----------------------
SDGsはもちろんのこと、サステナブル・エシカルな視点から記事を制作する編集者・ライターの専門チームです。社会課題から身近にできることまで幅広く取り上げ、分かりやすくお伝えします。
他の記事を見る
OTHER ACTION