野菜の冷凍保存で食品ロスを減らそう!
近年、ニュースなどで「食品ロス(フードロス)」という言葉を耳にすることが増えてきました。
食品ロスとは、まだ食べられるのにもかかわらず廃棄されている食品のことです。
日本では年間 522 万トン(※1)にのぼり、国民ひとりあたりに換算すると、お茶碗約1杯分(約113g)の食べものが毎日捨てられていることになります。
中でも家庭での食品の廃棄経験は「野菜」が最も高いため(※2)上手に保存して使い切ることが重要です。
今回は野菜を無駄にしないためにも覚えておきたい冷凍保存の方法をご紹介します。
※2 捨てたことのある食品1位は野菜!「食品ロスに関する意識・行動調査」
野菜を冷凍保存するメリットは?
家庭での食品ロスの中でも特に多いといわれているのが生鮮野菜です。
「安かったので多めに買ってしまった」「思ったより足が速くて使いきれなかった」などの経験がある方も多いのではないでしょうか。
また、ひとり暮らしなどで「量が多い野菜は買いづらい」と感じている方も少なくないと思います。
そんな時、便利なのが野菜の冷凍保存です。
冷凍すると保存期間が長くなることはもちろんですが、実は他にも以下のようなメリットがあります。
●調理の時短になる
あらかじめカットした野菜を冷凍保存しておけば、冷凍庫から取り出してそのまま料理を作ることができます。
そのため、調理時間の短縮につながります。
●栄養価をキープできる
野菜は収穫した後も蓄積した栄養を使って成長しているため、栄養価は徐々に失われてしまいます。
購入後は早めに冷凍し、成長を止めることで栄養価の減少を防ぐことができます。
また、中にはブロッコリーやニンジンのように冷凍することで栄養価が上がるといわれている野菜もあります。
●おいしさがアップする野菜も
冷凍保存することで、しいたけ、エリンギ、しめじなどのキノコ類はうま味成分が増加すると言われています。
また、たまねぎは冷凍することで甘みが増す他、短い炒め時間で飴色たまねぎをつくることができるというメリットもあります。
基本の冷凍保存方法
野菜の種類によって適した冷凍保存の方法は異なりますが、今回は基本的な冷凍保存のポイントをご紹介します。
(1)洗える野菜は流水で洗い、料理しやすい大きさに切る。
(2)キッチンペーパーで、はさんで軽く叩くようにして余分な水気をふき取る。
(3)冷凍保存袋に入れ、できるだけ空気を抜いて口を閉じたら厚みを平らにならす。
(4)アルミのバットなどの金属トレーにのせて冷凍庫へ。
ポイントは、熱伝導のよい金属製(アルミ・ステンレス)のバットやトレーを使うこと。
それにより手早く凍らせることができ、味や食感、おいしさが保たれます。手早く凍らせることが大事なので、冷凍庫の扉を開閉しない時間帯(就寝時など)に冷凍すると効率アップにつながることも覚えておいてください。
なお、冷凍保存した野菜はお肉や魚などと違い、解凍せずに凍ったまま炒めたり煮込んだりするのがベストです。
冷凍すると野菜の細胞が破壊され、解凍時に水分が溶けて流れ出しますが、煮物やスープなどに利用すると、栄養成分を余すところなく生かせます。
冷凍保存で気をつけること
冷凍することで保存期間は延びますが、あまり長期間の保存はおすすめできません。
野菜の冷凍保存期間は3週間が目安と言われていますのでなるべくこの期間内に食べ切るようにしましょう。(※3)
また、ほとんどの野菜が生で冷凍可能ですが、用途によっては不向きな野菜もあります。
下茹でしてあく抜きをする必要がある野菜は茹でてから冷凍する、サラダに使う葉物野菜は食感が悪くなるので冷凍保存は避けるなど、ポイントを押さえて活用しましょう。
野菜を無駄にせずおいしく食べる以外にもメリットがある冷凍保存を活用して、まずは身近なところから食品ロスの削減をはじめてみませんか。
※3 農林水産省「簡単な「冷凍ワザ」で、野菜を新鮮に!おいしく!」
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