滝沢さん「乾燥剤は再利用できますよ!」梅雨の時期に役立つゴミのリユース
段々と湿気が気になる季節。対策するのも大変ですよね。そんな暮らしに、身近なゴミのリユースが役立つことはご存知ですか? 今回は滝沢さんに、防湿、防臭等に使えるリユース情報をお伺いします。
【Profile】滝沢 秀一(たきざわ しゅういち)さん
お笑い芸人/ゴミ清掃員。
1976年生まれ。1998年にお笑いコンビ「マシンガンズ」を結成。その後2012年に芸人のままゴミ収集会社に就職。お笑い芸人とゴミ清掃員の二つの顔を持ちながら活動をしている。現在はゴミ清掃員としてゴミ学を世間に伝えたり、エッセイ『このゴミは収集できません』(白夜書房)など、いくつもの本も出版している。
X(旧Twitter)に投稿していた梅雨の時期に役立つゴミのリユース
――Xで投稿されていたのをいくつか拝見しましたが、乾燥剤をリユースできるのですね
乾燥材のシリカゲルは、乾燥剤をレンジで7、8秒ぐらい温めることによって、再度乾燥剤として使うことができます。
乾燥剤はプラスチックで覆われているため、温めすぎると溶けます。温度調整には注意が必要です。
お菓子とかに入っている乾燥剤は再利用できますよ!おはようございます。ゴミ清掃員の滝沢です。シリカゲルという乾燥剤はちょっとレンジで熱を加えると(7〜8秒)紫の玉が青くなります。青くなったら湿気を吸収するので、下駄箱に入っている靴に入れると湿気取りになるんで、やってみてね!… pic.twitter.com/197BH7j1WD
— マシンガンズ滝沢 (@takizawa0914) March 15, 2024
――乾燥剤の中には石灰のものもありますが、こちらは再利用できないのでしょうか?
石灰はできません。あくまでシリカゲルのみです。
石灰の乾燥剤は、土壌改良剤になるというのを聞いたことがあります。乾燥剤としては使わないという事ですね。
――乾燥剤のリユースが終わった後の捨て方は、燃えるゴミとして捨てるのでしょうか?
シリカゲルは可燃ゴミです。
ただ、石灰の乾燥剤は水にぬれると発熱するため、ポリ袋に入れた方がいいでしょう。また自治体によっては、石灰は不燃ゴミ扱いになっているところもあります。
――Xでは使い捨てカイロについても書かれていましたよね?
使い捨てカイロは、使い終わった後は脱臭材として使うことができます。
私の場合は下駄箱の靴の中に1つずつ入れて使っていますね。
――カイロが匂い消しになるという発想がなかったです
そうかもしれませんね。
ただ最近は、使い捨てカイロを貯めて、水質改善のために送ろうかなと思っています。
――水質改善にも役立つのですね。調べたのですが、使い捨てカイロは1年間での日本の販売数が17億枚もあるそうです。これらをすべて回収し、水源改善のために使われるようになると、いいかもしれませんね。
17億枚は確かに多いですね。
その全てがゴミとして捨てられていたとしたら、とてももったいないことです。
――Xではもう一つ挙げられていたのですが、保冷材もリユースできるのでしょうか?
保冷材は中身を出して、アロマオイルを1、2滴たらすことで、芳香剤になります。水を吸収する力があるので、アロマオイルを吸収していい香りを出してくれるというわけです。
また、水道水を吸収させて、植木の上に置いておくことで、旅行などで家を2、3日空ける時でも枯れずにすむようになります。
――それはとても便利ですね
また携帯トイレとしても使うことができます。
普段は冷凍庫や冷蔵庫で保管をしておき、災害時には防災グッズとして活用します。
保冷材は意外とたまるものですし、秋から冬にかけて捨てられることが多いので、今言ったような使い方をしてみるのはいかがでしょうか。
――保冷材の注意点はありますか?
保冷材は高級素材ポリマーです。
おむつと同じですので、袋を破って流しに流さないことです。高級素材ポリマーは水を吸収する力があるので、配水管が詰まってしまうためです。
こんな親切な保冷剤があるんですね!おはようございます。ゴミ清掃員の滝沢です。中身を出したら芳香剤になるみたいです。実はこの保冷剤だけではなく、プニュプニュしているものは全て芳香剤になります。お好みのアロマオイルを少量加えると出来上がりです!乾いたら寿命ですので、可燃ごみでそのまま… pic.twitter.com/trMJwx2PK7
— マシンガンズ滝沢 (@takizawa0914) March 25, 2024
梅雨の時期に気になるゴミの対処法
――梅雨の時期に気になるゴミと言えば、どういうものがあるでしょうか?
梅雨であれば、匂いが気になる方もいるのではないでしょうか。
梅雨だけではなく、梅雨から夏にかけてだとは思いますが、生ごみは要注意な時期です。
生ごみを乾燥させる機材を購入すると便利だと思います。ただ、生ごみの水分を手で絞るだけでも匂いは軽減します。
これは私の失敗談なのですが、カッパを洗濯したことはありますか?
実はカッパを洗濯すると、水をはじかなくなります。
カッパが汚れた場合は手洗いをするのが一番です。また水をはじかなくなってきたと思ったら、ドライヤーで乾かしてみると、毛が立つようになり、もう一度使えるようになるというのも聞いたことがあります。
――雨の日だと、傘の捨て方も気になります。
傘は自治体によって捨て方が違うため、一概には言えません。
ただ傘は本当に捨てられることが多いものですので、駅にあるシェア傘などが便利だと思います。
捨て方のわからないごみ【第1位】は傘です。おはようございます。ゴミ清掃員の滝沢です。昨日、東京では雨がやんだ午後に様々な集積所でごみ箱のように捨てられていました。傘は地域によって違いますが、都内の多くは不燃ごみの日、横浜市のようにビニール部分を取って金属資源に出す地域、豊島区のよ… pic.twitter.com/Ou5xe0qxX9
— マシンガンズ滝沢 (@takizawa0914) March 29, 2024
――つくばエクスプレスの全駅で、シェア傘を始めたというのを聞きました。
他にもあります。
例えば商業施設。マルイもシェア傘をしている店舗があり、これからも広げていきたいと言っていました。
――今お話いただいた中でリユースできるものはありますか?
話をした中にはありませんが、生ごみの処理で私がしていることがあります。
緩衝材で空気が入っているビニールの袋があるのですが、その袋の頭の部分をはさみで切ると、小さな袋になります。それをお風呂場に置いておき、私は髪の毛を入れたりしています。
清掃員の立場から見た、雨の日で苦労をしていること
――雨の日に段ボールを出さない方がいいという記事を読んだことがあるのですが、それは濡れると資源として使えなくなるからでしょうか?
以前、雨の日は段ボールを出さない方がいいという風に書いたのですが、その時に他の清掃員の方から、雨の日でも出してほしいという声が届きました。
理由としては、その週に段ボールを出さないと、翌週の段ボールが二倍になってしまうからです。その話を聞いて、確かにそうだと思いました。
段ボールは濡れていても、乾かせば資源として使えるので、出してもらって問題ありません。
――雨の日だからと言って、出すのを控えなくていいという事ですね
そうです。
さらに資源のことで言うと、プラスチック資源についても、お伝えしておきたいことがあります。
プラスチック資源を出すときに、乾燥させてから出される方もいるのですが、必要ありません。
プラスチック資源も雨の日であっても回収しているからです。つまり濡れていても問題はないという事です。
ただ風の強い日は、ペットボトルが飛びやすいので、飛ばないように配慮していただきたいという気持ちはあります。
プラ資源は洗った後に完璧に乾かなくても大丈夫です。おはようございます。ゴミ清掃員の滝沢です。汚れは落として欲しいのですが、洗った後、拭く方もいますが、そこまでしなくて大丈夫です。雨の日も回収しているので、多少なら大丈夫です。#ゴミ清掃員の日常 #滝沢の推し活はごみ分別 pic.twitter.com/mleloCK0Mv
— マシンガンズ滝沢 (@takizawa0914) December 10, 2023
――清掃員として、雨の日に苦労されたことはありますか?
雨の日はかっぱを着ながら回収をしていますが、雨で濡れているのか、汗で濡れているのかわからなくなるので、普段以上に大変ではあります。
――カッパを着たまま清掃車に乗っているのですか?
着たままですね。
清掃車も新しい車であれば冷房をつけることができますが、古い車に当たったときは冷房が付かない車もあるので、その時は本当に大変です。
梅雨の時期から夏にかけては、清掃員にとっては非常に過酷な時期と言えますね。ですが、回収しないわけにはいかないので、日々、季節と闘いながら回収をしています。
―― 書籍/活動紹介 ――
SDGsはもちろんのこと、サステナブル・エシカルな視点から記事を制作する編集者・ライターの専門チームです。社会課題から身近にできることまで幅広く取り上げ、分かりやすくお伝えします。
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