「手洗い」からはじまった
文化や行動、社会を変える力
サラヤ㈱
世界の「衛生・環境・健康」に貢献
サラヤ株式会社は、ひとにも地球にもやさしい商品づくりに努めて、世界の「衛生・環境・健康」の向上に貢献する製品とサービスをお届けする会社です。
主な事業は、石けんや洗剤・食品などの家庭用品を担当する「コンシューマー」、公衆衛生や食品衛生を担当する「サニテーション」、医療や福祉衛生を担当する「メディカル」の3つです。これらの事業と社会貢献活動を通じて、健康で豊かな生活、より豊かでみのりある地球社会の実現を目指しています。
当社がSDGsにも通じる「ひとと地球にやさしい製品づくり」や「持続可能な社会の実現」を課題として掲げるようになった原点は、創業にあります。
サラヤ創業の1952年、日本では赤痢(※1)が流行、多くの人々が亡くなりました。この問題解決のために創業者が考えたのが、「手洗いなら薬を買えない貧しい人々でも、等しく赤痢を予防できる」ということでした。
そこで日本で初めて、手を洗うと同時に殺菌・消毒ができる薬用石けん液とディスペンサーをセットにして製造・販売をスタート。
同時に手洗いの習慣を啓発し、戦後日本の衛生向上に大きく貢献しました。子供の頃に学校の手洗い場で、緑色の石けん液で手を洗った経験がある方も多いと思いますが、あれがサラヤの製品です。
そしてさらにこの手洗い運動は、海外での取り組みにもつながることになるのです。
※1 赤痢とは・・・細菌性赤痢は赤痢菌を病原体とする感染症の一種。感染力が強く、経口感染し腸炎の症状をきたします。
生き物たちの命も、環境も守る。サラヤの海外プロジェクト
ヤシの実の油を使った「ヤシノミ洗剤」は、1970年代、石油系合成洗剤による水質汚染が社会問題化する中、環境に優しい植物系洗剤の先駆けとして誕生したサラヤの主力ブランドです。
しかしその後、原料の一つであるパーム油の食用需要が世界的に増加したことにより、生産地のマレーシア・ボルネオ島では森林破壊が環境・社会問題となりました。植物油=環境・人にやさしいという単純化はできない現実に直面し、サラヤでは2004年から各種団体と協力し合って『ボルネオ環境保全プロジェクト』(※2)に取り組んでいます。
パーム油使用の製品の売上げ1%を、マレーシア・ボルネオ島の森と生き物を守る活動に使うほか、環境と人権に配慮して生産されたパーム油(RSPO認証油)の普及を目指し、製品にはRSPOマークを取得しています。
一方、日本の公衆衛生に深く関わってきた当社ですが、世界の貧しい国では、「手洗いで予防できる病気」によって亡くなる子供が未だに多くいました。そこで始めたのが、アフリカ・ウガンダでの『100万人の手洗いプロジェクト』(※3)です。
ウガンダでは国を上げて衛生問題に取り組んでおり、私たちの思いと一致。2010年にプロジェクトをスタートしました。ユニセフによる手洗い促進活動を支援し、さらに現地法人を立ち上げて産業や雇用も生み出し、経済的な自立の支援にもつなげています。
※2 『ボルネオ環境保全プロジェクト』詳細はこちら
https://www.saraya.com/conservation/
※3 『100万人の手洗いプロジェクト』詳細はこちら
プロジェクトを『続ける』ことの意味
当社の社会活動は、始めた当初は多くの困難に直面しましたが、その経験から学びを得て、現在まで継続的に取り組んできました。
例えばパーム油問題においては、当初は「ヤシノミ洗剤」が森林破壊の原因と誤解されていましたが、環境保全とパーム油産業の両立を目指し、パーム油の現実を伝え、『ボルネオ環境保全プロジェクト』を実施してきたことで、今では誤解も解けて社会的に高く評価されるようになりました。
また『100万人の手洗いプロジェクト』も、手洗い文化のない国に文化を作るのですから、最初はゼロからのスタートで苦労しましたが、現在は多くの方に支持され、成果を上げています。
社会活動を継続すると、周囲が変わります。家族から「お父さん、いい会社で働いてるね」といわれると、社員もそれを誇りとするようになります。そして業務にも力が入る訳です。さらに協力企業の提案も環境に意識したものになるなど、多くの変化が生まれました。
世の中に必要とされる企業を目指して
SDGsの多くの目標にリンクする当社ですが、これからは海洋プラスチック、海洋資源の活用などの問題にも取り組む予定です。例えば、プラスチックの循環サイクルを作る、自然に還るプラスチック素材を活用するといったことが挙げられます。
よく “事業と社会活動の両立は難しい“といわれますが、当社においては事業(ビジネス)と社会活動は両輪であり、一方がなくなっては成り立たちません。密接にリンクし、関連しあいながら、創業当時から現在まで継続しているのです。
当社の事業は、推し進めるとSDGsなどの社会課題の解決にもつながります。社会課題がある限り、世の中に必要とされ、事業は継続できるでしょう。これからも世の中から必要とされる企業を目指し、社会活動と事業の両輪を推進していきたいと思います。