産学官×SDGsで
人と海を美しくする挑戦
㈱ヴェントゥーノ
新たな企業パーパス策定、商品販売を通じ海藻の魅力発信
株式会社ヴェントゥーノは、もずくやメカブなどの海藻から採れるぬめり成分「フコイダン」を主原料とした健康食品(サプリメント)や化粧品を開発・販売している会社です。1990年の創業以来、九州大学や医療機関などと共同研究しながら、商品を開発しています。
このほど、「海藻の可能性でイノベーションを起こし、人と海が美しい未来をつくる。」をPURPOSE(パーパス=企業の存在意義)として掲げました。お客様の健康で美しい未来を実現できるよう、海藻の可能性を追及し続け、世界中に海藻の魅力を発信するとともに、海洋環境保全へ貢献していくため、全社員が一丸となり日々事業に取り組んでいるところです。
またヴェントゥーノでは、石垣島に自社海洋農場を保有し、オキナワモズクを養殖しています。原料にこだわり、栽培から商品開発、販売まで一気通貫体制を整え、安心安全な商品を安定的にお客様に提供しております。
企業活動によってSDGs・CSR活動の取り組みへとつながる
昨今、SDGsやESGなどの観点から、環境問題に取り組む企業が増えてきています。ヴェントゥーノとして何ができるのか改めて考える中、「食品免疫機能分析学寄附講座」を設置する九州大学伊都キャンパスが糸島市と隣接していることから、糸島市政と話をする機会が多くなりました。
そこで海藻の養殖は手間暇がかかることなどから海藻を育てる漁師さんが年々減り、養殖規模も縮小。海藻が生える場所「藻場」の減少を引き起こし、磯焼けなどの海洋環境に影響がでていることを知り、2021年6月に糸島市の協力のもと、糸島漁業協同組合と「ブルーカーボン推進における地域貢献協定」を締結しました。
まずは5年間、糸島漁協からメカブ(一部廃棄されていたメカブも)を継続的に購入することで、
・ワカメ養殖業収入安定化
・ワカメ生産効率向上
・ブルーカーボンによる二酸化炭素削減、磯焼け防止
・海洋資源の有効活用
を目指していきます。
海藻が成長段階で二酸化炭素を吸収し、一部が食品や原料として収穫される前に脱落して海中に堆積するもしくは、深海に沈降して長期間貯留する炭素のことをブルーカーボンと言い、単位面積あたりの二酸化炭素の吸収量が森林よりも多いことから、地球温暖化対策として世界的に注目されています。
九大・糸島漁協と産学官ブルーカーボン推進プロジェクト始動
私たちヴェントゥーノは、年間数百トンのもずくやメカブなどの海藻を商品の原料として使用していますが、こうして大量に海藻を消費することが、藻場造成に寄与し、それが温暖化や生物多様性の問題対策へつながり、そして海藻の研究を私たちが取り組み続けることで社会課題の解決へ役に立つのではと考えています。
先述した糸島漁協とのブルーカーボンに関する取り組みの一環で、海藻(メカブ)を使用した化粧品を作るプロジェクトが始動しました。※メカブはワカメの根元部分
2022年4月、糸島産メカブを使用した新たなスキンケアブランド「人魚の伊都姫」を立ち上げ、第1弾商品として、「人魚の伊都姫 海藻ジェルパックモイスト」「人魚の伊都姫 海藻クリームパック」を販売開始しています。
そして、フコイダンの機能性や免疫について共同研究を進める九州大学大学院農学研究院の宮﨑義之教授が糸島メカブから採れたメカブフコイダンの保湿試験を行ったところ、ヒアルロン酸に比べて6時間後の保湿力(水分残存率)が2倍以上になることが分かりました。
海藻の魅力に気づき追求し続けた結果、確信した“可能性”
糸島メカブフコイダンの保湿力という強みを活用し、今後も第2弾、第3弾とシリーズ展開を視野に動いているところです。
海藻の研究と製品化の過程でどれだけ地球環境に優しいことができるのか、将来的に地球環境をどれだけ綺麗にしていくか、これまで海藻と向き合ってきたヴェントゥーノだからこそ取り組める課題だと思います。
こうして商品販売を通じ、海藻の魅力を発信していくことが、ヴェントゥーノができる環境対策そのものになっている、言い換えると、企業活動を実施することが地球環境にも優しく、SDGsやCSR活動に直接つながっていきます。「それをどこまで際限なく伸ばせるか」今回のプロジェクトはそれを確認するための“挑戦”でもあると考えております。
そして海藻の可能性は、健康食品や化粧品だけではなく、飼料、バイオ燃料、バイオプラスチック、培養土・肥料などサスティナブルな素材として世界的にも海藻への関心が高まっています。
ヴェントゥーノは、今後もさらなる海藻の研究を通じて地球環境の課題解決に向けて積極的に取り組み、人々の健康や美をサポートする商品やサービスを提供していきます。