ココリコ田中さん「朝までやっても勝てない(笑)」白熱のMSC「さかなかるた」大会!イベントレポート&単独インタビュー
持続可能な漁業を推進する国際的な非営利団体であるMSCは、国連が定めた6月8日の「世界海洋デー」に関連して6月4日~7月3日まで「守ろう豊かな海。選ぼうMSCラベル」キャンペーンを開催しています。 キャンペーン開始日である6月4日には、MSCアンバサダーのココリコ田中直樹さんが出演するイベントが東京グランドホテルにて開催されました。
MSC「海のエコラベル」とは
MSC「海のエコラベル」が付いた水産物は、水産資源や環境に配慮しているとして、第三者の審査機関による審査によって認証された持続可能な漁業で獲られたものです。MSC「海のエコラベル」の付いた商品を選ぶことが、水産資源を守ることに繋がります。
徐々に認知度が高まっているMSC「海のエコラベル」
ココリコ田中さん、岡山県邑久町漁業組合の松本正樹代表理事、株式会社明豊の松永賢治代表取締役とのトークセッションでイベントがスタートしました。
田中さんは昨年明豊漁業へ訪ねて見学しており、その際の体験を振り返りました。
見学の様子はこちらからご覧いただけます。
身近な魚が食べられなくなる!?ココリコ田中が密着!持続可能な漁業とは? (youtube.com)
「昨年は明豊さんのところにお邪魔させていただいて、しっかり船にも乗せてもらいどのようにして漁業が行なわれているか見学させていただきました。混獲しないような漁業の仕方があったり、その釣られた魚がどのようにして商品になるのかまでしっかり見させていただいてとても勉強になりました」とコメントしました。
邑久町漁業の松本さんは、MSC漁業認証取得に取り組むことになった経緯について、
「牡蠣の養殖に特化した漁業をしていますが、販売店から“MSC認証のものを扱いたい”という話をどんどんいただいていたので認証取得に取り組むことになりました」
とMSC認証の魚の需要が増えていることに言及。
田中さんもMSC認証について、
「実際に海に行って、見て、守るとかっていうのは現実的に難しい部分があると思うんですけど、MSC認証の商品を近所で買うことによってすごく離れた場所の海の保全、魚たちが生きられる環境を作れるってことが僕は素晴らしいと思います」
と話しました。
また、MSCアンバサダーとして啓発したいことはありますか?という質問には、
「MSCアンバサダーの仕事を始めて丸6年ほど経ちましたが、まだ正直なところMSC『海のエコラベル』の認知度ってとてもまだ十分とは言えないと思います。日本だと2割くらいだと言われてて。知らない方がたくさんいて、何それって思われている方もいらっしゃるかと思うんですが、本当に少しずつなんですけども僕が就かせていただいた6年前は12、3%くらいだったかなと思います。僅かなんですけど知名度が上がってきてて、少しずつ上げていくことが大事なんだなと感じます。その中で動き出してくれている皆さんが心強くてありがたくて、とても嬉しいなって思います」
と感謝を述べました。
相方ココリコ遠藤さんとの2ショットトークが配信
2024年のMSCのキャンペーンのために「Since 1992 ココリコ×世界海洋デー ~32年を振り返ろう~」という動画が制作されました。
この動画では田中さんが相方の遠藤さんとMSCの話題で盛り上がっています。
「遠藤さんはそうですね、漢字の入った文字を読むのがあまり得意じゃないんですけど。小学校からの付き合いなんで、私の言葉で分かりやすく説明する方がいいと思うので」という前置きがあり、動画が再生されました。
動画内では上京当時の衝撃的なエピソードが披露され、会場からは笑いが起こっていました。
2人のプライベートなやり取りを感じられながら、水産資源の現状やMSCの持続可能な漁業について知ることができる内容となっています。
白熱の「さかなかるた」大会!
イベントの後半には「さかなかるた」大会が開催されました。
この大会で使用されたかるたには魚の表皮が印刷されており、見て触れてどの魚かを当てる「MSCオリジナルさかなかるた」です。
大会で1番多くのかるたを手にした優勝者は、田中さんと一対一で対戦することができます。
20名の参加者は真剣なまなざしでかるたに挑む中、田中さんは各ブロックを回り応援の声をかけるなど会場を盛り上げていました。
そんな大会で圧倒的な強さを見せて優勝したのは、東京海洋大学大学院生の津村さん。
「『さかなかるた』の絵札になっている魚は全種類知っている」という田中さんと3枚先取りで対戦しましたが、いずれも秒殺で津村さんが勝利しました。
試合後田中さんは、
「優勝者の方がすごい強かったですね。多分朝までやっても勝てない(笑)どこに何があるかを把握する時間が自分はまず必要なんですよ。もうそんな時間さえも許してもらえなかったんで、探す間もなかったんです。もう本当に瞬殺でした。面白かったですね。なんかすごい楽しかったです」
と称賛していました。
ココリコ田中さんの生物愛と、今後の展望
最後に、田中さんにお話を伺いました。
――漁業や水産資源について、日ごろから感じていること、考えていることを教えていただけますでしょうか。
はい。「獲りすぎない」っていろんな漁業の場面で言われていることだと思うんですよね。分かりやすいのが、駿河湾のサクラエビは禁漁区や禁漁期間を設けたんですよね。産卵場所だろうからここで漁をするのはやめましょうとか、サイズも考えながら漁をしましょうとか。そういったことを徹底したら、すごい戻るんですよ。
ちゃんと守って丁寧においてあげたらやっぱり生き物って戻ると思うんですよね。
かといってサクラエビみたいにみんながみんな戻れるかって言われたらそうじゃなくて。成長年数も魚種によって違ってくるので、今取りすぎたら戻るまでにもう何年もかかりますよっていうことを考えながら漁をしていくことが大事なんだと思います。
――「さかなかるた」は魚の表皮がデザインされている珍しいグッズですが、田中さんは魚をモチーフにしたグッズを持っていますか?
グッズですよね。さかなクンにお世話になっていて、仕事でお会いした時にイラスト入りのトートバックをもらったりしました。
あと、モノが多いですね。サメの顎とか。
――本物のサメの顎ですか…?
はい、本物です。博物館や大学の研究室などにお邪魔させていただいた時に先生方からいただいたりすることがあります。さかなクンからもネコザメの赤ちゃんの抜けた卵をもらいました。イヌザメの卵の殻とか。自宅で飾ったりするものもあります。
――最後に環境や資源、SDGsのことに関して、田中さんが今後取り組んでみたいこと、やってみたいお仕事について教えていただけますか?
はい、僕アマモ※にすごく興味があって、何年も前からずっと携わっています。それこそ高校生だとか、中学生も小学生もそれぞれの地域の海でアマモの種を取ってまた付けてという作業をしてるんです。各都道府県、自治体、学校、企業でもやっています。自分もそれに携わりたいなと思っています。
※光合成で二酸化炭素を体に吸収し、酸素を放出する海草の1種。
―― 書籍/活動紹介 ――
SDGsはもちろんのこと、サステナブル・エシカルな視点から記事を制作する編集者・ライターの専門チームです。社会課題から身近にできることまで幅広く取り上げ、分かりやすくお伝えします。
他の特集記事を見る
OTHER ARTICLE