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登山家・野口 健さんが能登半島地震の被災状況も踏まえた「防災講演」九州三菱自動車で開催 – 九州三菱自動車販売㈱ SDGs特集記事|リンクウィズSDGs
登山家・野口 健さんが能登半島地震の被災状況も踏まえた「防災講演」九州三菱自動車で開催

登山家・野口 健さんが能登半島地震の被災状況も踏まえた「防災講演」九州三菱自動車で開催

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2024年1月13日に、九州三菱自動車販売㈱主催の「防災講演」が電動ドライブステーション二又瀬店(福岡県福岡市)で開催されました。
講演会には登山家の野口 健さんが、まさにいま支援活動を行っている能登半島から駆けつけ、被災地の困難な状況、現地では何に困っているのかなどを話しながら、“自然災害”にどう向き合うのか、備えや対処方法を提言。
熊本地震や能登半島地震などの災害から何を学び、私たちにはどのような備えができるのか、大変学びの多い講演となりました。

【Profile】野口 健さん

1973年8月21日ボストン(アメリカ)生まれ。 認定NPO法人ピーク・エイド代表として、ヒマラヤ・富士山での清掃活動といった環境保護への取り組み、また遭難死したシェルパ族の子どもたちへの教育支援「シェルパ基金」やヒマラヤでの学校建設・森林づくり、第二次世界大戦の戦没者の遺骨収集などの社会貢献活動を行っている。 亜細亜大学特別招聘教授、了徳寺大学客員教授、徳島大学医学部運動機能外科非常勤講師。

サークル

「寒くて眠れない」悲痛な声、被災地の現状

「悲痛な連絡が私の事務所にたくさん来るんです。夜はすごく寒く、朝になるまでずっと耐える。だから『夜が怖い』など」。

野口さんが能登半島地震で支援活動を行っている七尾市避難所の体育館では、最低気温が2.2度にもなっているそうです。
「まずはマイナス15度くらいでも耐えられる寝袋2000個を、七尾市と輪島市の避難所5ヶ所に届けました。これからなんとか1万個ぐらいは届けたい」と野口さん。

 

「寒くて寝れない夜が続くと、精神的に追い詰められていくんです。僕はヒマラヤで1ヶ月過ごしたりしましたが、あまりの凍える寒さに夜が来るのが怖いんですね。被災者の方々は、家や家族を失ったり、いろんなものを失って避難所に入ってくるんです。だからまずは、体を温めて寝て頂きたい。そんな想いで寝袋を届けています」。

 

 

サークル

被災地の電源供給に、PHEVが役立つ

また野口さんは、2016年に起きた熊本地震についても言及しました。

「熊本地震の時は、車中泊が多くなりました。これは1回目の地震のすぐあとに2回目があり、避難所に行っても『3回目が来て建物が崩れるんじゃないか』と不安に思い、建物の中に入りたくない状況になったためです」。

そこで多くの人が車で避難所の駐車場へ行き、車中泊を行い、その光景がメディアにも取り上げられました。

「しかし車中泊というものは、せいぜい1日~2日くらいの短期的なものなんです。だからキャンピングカーならまだしも、1ヶ月~2ヶ月も行うものではないんですね。だからエコノミー症候群などの健康被害も起こりました」と野口さんは語っています。

この状況を踏まえて進められたのが、テント村の設営です。

 

 

ところがこのテント村での生活も、様々な困難が待ち受けていました。

「標高5300mのエベレストにも対応できるベースキャンプを設営することで、当座の生活はなんとかなりました。しかし弱点が電気だったんです。被災地は度々電気が落ちます。そこで太陽光で充電できるランタンを配って夜間の照明として役立てて頂きましたが、電気が無いと不便なことが多いです。そこで役立ったのがPHEV(プラグインハイブリッド車)です」と野口さん。

プラグインハイブリッド車はガソリンと電気の両方を燃料にすることができ、そこから災害時の電源供給に用いることができます。

 

アウトランダーPHEVでは電気ケトルやドライヤー、電子レンジなど消費電力の大きい電化製品を使用することができ、災害時の非常電源としても有用。
アウトランダーPHEVでは電気ケトルやドライヤー、電子レンジなど消費電力の大きい電化製品を使用することができ、災害時の非常電源としても有用。

 

「アウトランダーPHEVは燃料を満タンにすれば、一般家庭の10日分~12日分の電気を発電できます。これはテント村で強いですね。熊本地震の時は被災範囲がそこまで広くなかったため、ちょっと車で移動すればガソリンスタンドで給油できる。そこで燃料を入れ、被災地に役立てることができました」と、被災地で活躍するPHEVについて話しています。

 

アウトランダーPHEVと野口さん。
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被災地のトイレが大きな課題

「避難所のトイレは、能登半島でも大変なことになっています。避難所では下水が機能していなかったりし、袋に貯めるなど…衛生的な問題で、ノロウイルスがトイレから広がるような状況です」と被災地のトイレが衛生的にも精神的にも困難な状況にあると野口さんは語っています。

そこで野口さんは災害用トイレとしても利用されている「ラップポン」を紹介しました。

「用を足すとそれが袋の中に入り、1回ごとに袋の口が熱で圧着されてボンっと出てくるんです。それを自分で取り、専用のゴミ箱に捨てるんですね。トイレには排泄物が一切残らないんです」。

野口さんはラップポンの仕組みを説明し、避難所の衛生環境の改善について訴えかけました。

 

災害用トイレ「ラップポン」に座る野口さん。
サークル

災害に対して、私たちができることとは?

「能登半島地震で被災地のために寝袋を2000個集めても、実際には3万人以上が被災しています。あまりにも被害が大きく、途方にくれるんですよ。無力感を感じてしまう。ただ1億数千万人がいるこの国だから、一人ひとりがなにか一つでもやれることはあると思うんです。そうすれば、何とかなるのではないかと感じましたね」と野口さんは話しています。

「地震が来ると旅行のキャンセルが増え、被災していない地域もダメージを受けてしまいます。石川県も被災が少ないエリアはあります。被災地は無理でも、被害が少ない地域に旅行へ行くことも支援になります。また、ふるさと納税で支援してもいいと思うんですよ」と被災地への支援を呼びかけました。

 

 

「災害があった時、行政に助けを求めるだけではいけないんですね。地域の職員も被災していますから。行政に『何とかしてくれ』じゃなくて、まずは自分の身を守ること。最後は助けを求めるとしても。さらに、その前に『備える』ということも大事です。自分に何ができるのか――他人事じゃないので」と野口さんは災害時の心構えについて語りました。

 

講演の後は来場者との撮影やマスコミ取材があり、一人ひとりに丁寧に答え、災害と向き合う講演会となりました。

 

講演の後は撮影会を行い、長蛇の列が。野口さんは一人ひとりの質問に丁寧に回答。

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