環境にやさしい家電へ!パナソニック「サステナブルな家電とくらし」トークセッション&世良マリカさん単独インタビュー
パナソニックが家電製品への環境保全の取り組みを紹介する「サステナブルな家電とくらし」セッションが9月21日、パナソニックセンター東京にて行なわれました。
当日は、ミス・ワールド2019日本代表で、現在は慶応義塾大学にて世界の環境や貧困・教育問題について取り組む世良マリカさんをゲストに迎え、家電を担当するパナソニック社員の方々とのトークセッションが展開されました。
Link with SDGsでは、当日の模様のほか、パナソニック社員の萩さん・森田さんのお話、さらに世良マリカさんの単独インタビューもお届けします!
パナソニック株式会社
「人を想う技術と創造力で、くらしを支えるベストパートナーに。」をビジョンに掲げ、家電を中心に幅広い製品の開発・製造・販売を行なう総合エレクトロニクスメーカー。
サステナブルな家電トークセッション!
トークセッションの冒頭では、パナソニックが全国の生活者1000名に行なった「家電やくらしのサステナブルに関する意識調査」において、環境に配慮した製品を生活に取り入れたい人は約74%を占め、高い割合であることが発表されました。
さらに、内容ついては省エネ性が全世代でトップに。Z世代では自然由来の素材やリサイクルについての注目度が高いことがわかりました。
Z世代の世良さんも「環境問題の中で、ごみの問題は若い世代にとっても身近なので関心が高いと思います」とコメントしていました。
続いて、パナソニックのサステナブルな家電について、それぞれの担当者から具体的な説明がされました。
ドライヤー(※1)は、植物由来の塗料「バイオマスペイント」が使用されているほか、最大風量(ナノケア国内販売商品において/風量【強】・ノズル装着なしの時)を叶えたことで、エネルギー使用量の低減にもつなげています。さらに梱包でも、古紙利用の緩衝材によってプラスチック使用量が95%削減されたそうです。
メンズシェーバー(※2)は、これまで廃棄素材だった海洋ミネラル由来の「NAGORIⓇ」(なごり)を再利用して樹脂に複合、さらに本体を大幅に小型化したことでプラスチック使用量が大幅に削減されました。箱もエコパッケージに変更されています。
洗濯機は、インバーター全自動洗濯機(※3)は再生プラスチックの使用率が40%に。10年超の取り組みで培われた技術やノウハウによって、割合を高められているそうです。
また、ドラム式洗濯乾燥機(※4)は「はっ水回復コース」機能により、衣類のロングライフ化も実現しています。
そして梱包については、AV機器などの精密機械にも、振動を保護しつつ環境に配慮したパッケージの研究が進められていることが語られました。
世良さんも「パッケージは消費者が選べるものではないので企業の方が配慮してくれるのは消費者にとってもありがたいと思います」と喜びを伝えました。
※1 ヘアードライヤー ナノケア EH-NA0J-H 新色(ミストグレー)
その後は、「サステナブルなくらし」にも焦点をあてた、炊飯器と冷蔵庫の紹介へ。
紹介された炊飯器(※4)は、無洗米専用の自動計量IH炊飯器。スマホアプリによる遠隔操作で炊飯の設定ができることで、炊きロスを回避してフードロスを防ぎます。
また無洗米(特定非営利活動法人 全国無洗米協会認証の無洗米の場合)は製造時にとぎ汁を処理するため、土壌などに有効活用されること、さらに家庭排水にとぎ汁を流さないことで水質汚濁を防げるなどのメリットがあるうえに、味も今は精白米と変わらないないほどの技術になったそうです。
そして、冷蔵庫(※5)に備わる機能は「ストックマネージャー」。重量検知プレートとスマホアプリを連動することで、外出先からでも冷蔵庫の指定の在庫を把握できるので、余分な買い物を防ぎます。
また、冷凍庫の「はやうま冷凍」「うまもり冷凍」機能によって食材のおいしさを長く保つことができ、これらの機能でフードロス削減に貢献できるとのことです。
世良さんは「食べ物となると“おいしい”はゆずれない中で、そこをキープしながら、生活にプラスをもたらす機能だと感じます」と大きな関心を寄せていました。
サステナブルな家電について世良さんは「環境への知識が無い方でも、気軽に生活に取り込んでいける点が嬉しいポイントだなと思いました」と感想を述べ、トークセッションは終了しました。
会場となったパナソニックセンター東京には、CO2の削減と資源循環をテーマにした体験施設「Panasonic GREEN IMPACT PARK」が併設。展示に触れながら、家族みんなで環境について考えることのできる空間になっています。
パナソニック萩さんが語る、炊飯器のサステナブル
私は仕事で毎日洗米するのですが、シンクがすぐに赤くなってぬめりが出るのを見て水質汚濁や環境への意識が強まり、無洗米が環境にいいということを知りました。
また、味がすぐ落ちるという保存のお悩みに、「食べきり」がしやすい機能を提案することで、ごはんを無駄なく、おいしく食べていただけると考えています。
お米の消費量は年々減ってしまっていますが、パックご飯やおにぎり屋さんなどは増えていて、「ごはんを食べたい」という思いはみなさんの中にあるように思います。
でも、お米を測って、洗って、炊きあがりまで50分待つというのは、忙しい方や予定が変わりやすい方、また高齢者の方にとってはめんどくさいはずです。そんな方も、この炊飯器でおいしいごはんが食べやすくなる生活に変えていけたらと思います。
そして、炊飯器だけでは食卓は成立しないのでキッチン空間全体で環境に貢献していけたらいいな、と考えています。
パナソニック森田さんが語る、冷蔵庫のサステナブル
「ストックマネージャー」の開発にあたって、お客様への調査で、まとめ買いした食材を使い切れず無駄にしてしまった経験が一度はあること、またその際に罪悪感があることがわかり、お客様もフードロスには高い意識があると感じました。
また、「食材を使いこなせなかった」などで起こるモヤモヤした気持ちは、見えない家事の負担だと思います。そのような部分を機能が手助けすることで、心のストレスを少しでも減らしていけたらと考えています。
冷蔵庫は普及率がほぼ100%と言える家電ですので、「買う、食べる、蓄える」のすべてに対して、冷蔵室、野菜室、冷凍室という冷蔵庫全体でフードロス削減にお役立ちできる機能の開発を今後も取り組んでいきたいと思います。
大学でフェアトレードの活動も!世良マリカさん単独インタビュー
本日のゲスト、世良マリカさんにSDGsについてのお話を伺いました。
——今日のセッションを振り返っていかがでしたか?
もともと信頼度の高いブランドのパナソニックさんがこういう取り組みをすることで、消費者にとっても刺激になると思いますし、環境への知識や興味があまり無い人でもサステナブルなものを日常に取り込んでいけることがいいことだなと感じました。しかも使いやすさも追求されていて、素敵だなと思います。
中でも、炊飯器は無洗米が環境にやさしいことに驚きましたし、遠隔で必要な時に必要なだけ炊けるのは、使いやすくていい仕組みだなと思いました。ドライヤーも印象に残っていて、サステナブルな要素がありながらも最大風量があって、しかもコンパクトで、使ってみたいという気持ちになりました。
——普段の生活で、環境にはどのようなことを気をつけていますか?
基本は無駄を出さないように、なるべくマイボトルやマイバッグを使っています。でもまったく使わないのは難しいので、袋をもらったらそれをもう一回使うとか、無理のない範囲で気をつけています。
——SDGsへの関心を深めたきっかけを教えてください。
高校2年生の時にミス・ワールド(※)というコンテストに参加したのですが、SDGsに関するプレゼンテーションが審査項目にあり、勉強したことで興味を深めていきました。
——ミス・ワールドの日本代表として世界大会を経験して、価値観などは変わりましたか?
私が参加した2019年は世界111か国から参加者が来ていたのですが、いろいろなバックグラウンドを持つ子が集まって1か月同じホテルで生活する中で、自分の中の当たり前だった価値観が壊されていって、ものごとを多角的に見ることの大事さをすごく感じました。
いろいろな当事者の立場で考えることの重要性はSDGsを考える上でもつながることだと思いますし、私自身、普段から気をつけているポイントでもあります。
——今、大学で取り組まれているプロジェクトはどんなテーマですか?
研究会の友人と進めているものは、アフリカに焦点をあてた途上国開発です。「フェアトレード」をテーマに「労働者の人権の確保」と「利益追求と社会貢献性の両立」などの課題に取り組んでいます。
ケニアにある「オーシャンソール」という団体が、リゾート地からゴミとして流れ着いたカラフルなビーチサンダルをアート作品やギフトグッズにしているのですが、そこの活動をもっと日本にも広めたいと思っています。
——取り組みを進めていかがですか?
「どう手に取ってもらうか」が一番の課題です。機能性やデザイン性がよくないと、見つけてもらえないし使ってもらえないと思っています。フェアトレードでいい商品であるというところに依存しないで、品質自体で選んでもらえるものにしていく難しさがあります。バックグラウンドを強要はしたくないので、日頃使っているものがいいものである、というのが理想的ですね。
——社会貢献でありつつ品質にこだわる点は、まさに今日のサステナブルな家電にも通じるものがありますね。最後に、世良さんのSDGsへの想いをお願いします。
今は小学生でSDGsに触れているなど、意識の高さがナチュラルにあると思います。ただ、社会貢献性を考えることは大事だけど強制することではないと思うので、SDGsに意識のある人と、そうでもない人がどちらもハッピーに生活できるように取り組んでいくのが大事なのかなと思っています。そして私自身これからも、社会にインパクトを与える取り組みを続けていきたいと思います。
※世界3大ミスコンテストの中で、最も歴史が長く、参加国は世界最多を誇る、世界で最も権威のあるコンテスト
【世良マリカさん Profile】
2002年11月16日生まれ、神奈川県出身。
カナダ人の父親・日本人の母親を持つ。慶應義塾大学 総合政策学部に在籍し、政策や世界問題などを学びながら、そこから得た発見を多くの人に伝えていくことを1つの目標としている。特にSDGsについては環境問題や教育格差、貧困問題などのテーマに興味を持ち、同世代の人が社会問題のことを考えるきっかけとなることを目指している。
―― 書籍/活動紹介 ――
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