ゴミ拾いはスポーツだ!ユニクロ主催の「スポギョミ!」が福岡県の新宮海岸にて開催
株式会社ユニクロによる、海洋ごみを減らす活動に貢献するプロジェクト「JOIN: THE POWER OF CLOTHING」の2023年夏のキャンペーンが6月5日から7月4日まで実施されました。
このプロジェクトの一環として、チーム対抗形式で楽しみながらゲーム感覚でごみ拾いをする参加型イベント『スポギョミ!』が、6月11日(日)に福岡県・新宮海岸にて井上咲楽さんをゲストに招いて開催されました。
「JOIN: THE POWER OF CLOTHING」とは
2022年夏から株式会社ユニクロがスタートした、「服のチカラ」をサステナビリティアクションにつなげるお客様参加型のプロジェクト。
2023年夏は、多くの方々に海洋ごみ問題により関心を持っていただき、アクションにつなげていただけるよう、魚類学者のさかなクンが隊長となり、「スポGOMI」の特別イベントとして『スポギョミ!』を開催。
スポギョミ!(スポGOMI)とは
「スポGOMI」とは、一般社団法人ソーシャルスポーツイニシアチブ運営のもと、「スポーツで街をキレイにする!」をテーマに、社会奉仕活動である「ごみ拾い」に「スポーツ」のエッセンスを加え変換させた、日本発祥の全く新しいスポーツです。
参加者がチームに分かれ、制限時間内に決められたエリアをチームでごみを拾いをし、ごみの量と質でポイントを競い合います。
ユニクロは「スポGOMI」の理念に共感し、2021年11月から全国各地で「スポGOMI×UNIQLO」を開催してきました。
2023年夏の「JOIN: THE POWER OF CLOTHING」は、多くの方々に海洋ごみ問題により関心を持っていただき、アクションにつなげていただけるよう、東京海洋大学客員教授で魚類学者のさかなクンが隊長となり、「スポGOMI」の特別イベントとして『スポギョミ!』を開催しました。
開会式とさかなクンによる映像特別講義
今回のイベントには、一般応募で集まった全35チーム、総勢91名が参加。
開会式では、地域代表として福岡県新宮町町長の桐島光昭さんからのご挨拶もありました。
福岡県新宮町町長 桐島光昭さんのコメント
「新宮海岸はきれいな白い砂浜と松の葉っぱが青松を彩っている海岸です。
未来の子ども達へ託すため、毎月様々な方々にボランティアで協力いただきながらごみ拾いを実施していますが、漂着するごみがなくなることがありませんので、これは継続してなければならない取り組みです。
今回、通常のごみ拾いのイメージとは異なり、スポーツ感覚という形で取り組めるので、参加いただく方の印象もまた変わるのではないかと思います。」
開会式の後は、『スポギョミ!』の隊長のさかなクンによる映像特別講義で、競技前に会場全体で海洋ごみ問題への理解を深めました。
いよいよ『スポギョミ!』競技スタート!
恒例の「ギョミ拾いは、スポーツだ!」の掛け声で競技がスタート。
競技開始後は、参加者がチーム毎で作戦を立てながら、頭と身体を使ってより多くのごみを集められるよう、制限時間ぎりぎりまでごみを拾いました。
制限時間40分間で集まったごみの総量は、なんと145.52kg!
参加者の方々と一緒に『スポギョミ!』に参加した井上咲楽さんは「今回もみなさんと一緒にたくさんごみが拾えてとても楽しかったです。漁網が意外とたくさん砂の中に埋まっていて驚いたことと、実際に拾いながら『ごみが埋まっているな』、『拾いにくいな』といった大変さの経験を通じて、ごみ問題についての意識を高めていきたいです。」とコメント。
イベントの最後には表彰式が行われ、1位に輝いたのは地元の女子高生2人組のチーム。
ポイントの配分が高いペットボトルを中心に、合計2,507ポイント分のごみを集めたそうです。
上位3チームには「JOIN: THE POWER OF CLOTHING」キャンペーンの対象商品であるドラえもんサステナモードのTシャツやポケッタブルバッグなどが景品としてプレゼントされました。
また、今回の参加者全員に、新宮町から地元の特産物であるみかんを使用したスムージーも提供され、終始明るくにぎやかなイベントとなりました。
井上咲楽さんインタビュー
イベント終了後、参加者と一緒にごみ拾いに参加した『スポギョミ!』副隊長の井上咲楽さんにお話をうかがいました。
【井上咲楽さんプロフィール】
1999年10月2日生まれ、栃木県出身。バラエティを中心にタレント、コメンテーターなどでマルチに活躍。
自身の食生活に昆虫食を積極的に取り入れ、また、化粧水を手作りするなど様々なサステナブルな取り組みを実現し、多くのメディアで発信。
香川県豊島で行われたユニクロ・ジーユーのボランティア活動では、植樹やスポGOMIにも参加。今回のキャンペーンでは『スポギョミ!』副隊長に就任。
今回、『スポギョミ!』に参加していかがでしたか?
沢山の「ギョミ」を皆で拾えて、(約)140キロのごみを皆で拾えた!という達成感とともに、こんなにごみが落ちていたんだという驚きもありました。
新宮海岸の参加者の方の印象はどうでしたか。
今回参加いただいた皆さんは、高校生の方が多くて、本当に元気で団結力も強くパワフルでイキイキしていました。
絶対1位をとるぞという意気込みも凄かったです。
ごみを拾いながら、皆さんといろんな交流ができてすごく楽しい時間でした。
『スポギョミ!』で海岸清掃を体験してみていかがでしたか。
ごみの種類は前回の荒川とはまたちょっと違っていたのが興味深かったです。
拾った中で一番多かったのは、砂に埋まってしまっている網のごみでした。これが海に流れてしまったらきっと魚に絡まっちゃうだろうなと。
あと、ペットボトルも荒川と比べて埋まっていて拾い辛かった。
発泡スチロールも埋まっていましたし、砂の中に埋もれているごみはもっとあるのかもしれないと思いました。
また、プラスチックの破片も凄く多かったので、誰かが捨てた物が流れてくだけて辿り着いちゃったのかな、これから海にいく(ごみの)欠片を見ちゃったな、と感じました。
実際に拾ってみないとわからないことってすごくありますね。
「JOIN: THE POWER OF CLOTHING」の『スポギョミ!』を体験して感じたことはありますか。
ごみ拾いイベントってどれくらい効果があるものなんだろう?と今まで考えてしまう部分もあったんですけど、今回みたいにみんなで(約)140キロ拾えたりとか、1つ1つのことをちゃんとやることでキレイになるんだなと、実際に参加して自分で拾うことで実感できました。
参加した皆さんにも、多分気づきがあって。これからいつもの生活をする上で、今回得た気付きを思い出して、また活かして…という輪が広がっていくんだろうなって思ったら、ごみを拾うことの意義や、気づきが広がっていくことに、プロジェクトの偉大さを感じています。
今日体験した皆さんには、少しでも普段の生活からごみのことについて意識するきっかけになればいいなと思いました。
次の開催地でもまた、どんなごみがたどり着いているのか、同じ海岸でもごみの種類に変化があるのかととても興味深いです。
また新たな気づきがあったらいいなと思っています。
今後チャレンジしたいSDGsアクションはありますか。
一人暮らしでもできるコンポストが最近気になっています。
実家ではよくコンポストを庭に作って、そこに生ごみ捨てていたんですけど、畑がなくても、東京で一人暮らしていても出来るコンポストがあることを最近知りました。
布袋みたいなタイプとか、小さいコンパクトなタイプでもいろいろあるみたいで、これからチャレンジしてみたいなと思っています。
シェルバ英子さんインタビュー
最後に、ユニクロのサステナビリティ活動を担当しているコーポレート広報部部長のシェルバ英子さんにも「スポギョミ!」開催についての思いをうかがいました。
今回の「JOIN: THE POWER OF CLOTHING」プロジェクトで初めての取り組みについて教えてください。
今回、海や川でごみ拾いイベントを開催するのは初になります。
今までの「スポGOMI×UNIQLO」の取り組みでは、海や川に流れないようにまず街のごみを拾うという考え方で、店舗周辺で実施していましたが、今回「JOIN: THE POWER OF CLOTHING」では、海洋ごみの問題解決を大きなテーマとして謳う中で、実際に海や川へ出てもっとお客様にも(海洋ごみの問題について)深く理解してもらえる機会を持ちたいと思って、今回は海と川での開催に至りました。
今回、初めて福岡の海岸で開催してみての印象はどうでしたか。
これだけの高校生が集まったスポGOMIの大会は初で、皆さんすごく熱意をもって、どんどん踏み込んでごみを拾いに行っていただいて、若いパワーを感じました。
約140キロという量は中々ない数字で、おそらく過去の(スポGOMIの)イベントと比較しても過去最高レベルではないかと思います。
あとは皆さん海に近い暮らしをされている中で、普段からごみ拾いをしていらっしゃる方もいて。
参加いただいた方のごみ拾いに対する意識の高さをすごく感じました。
イベントを通して伝えていきたいことはありますか。
「ごみ拾い」というと、「楽しくない」、「一部の環境への意識の高い人が行う」というイメージもあると思いますが、『スポギョミ!』は参加の敷居も低く、競技性を持って楽しくごみ拾いができます。
イベントとして実施しましたが、学校単位とか個人単位でも、ごみ拾いは日々気軽にできる取り組みですので、ぜひ継続してほしい。
参加をきっかけにして、ご家族単位とか友達単位とか、ごみ拾いやごみの捨て方についての意識を持っていただければと思っています。
ユニクロでは、リサイクル素材なども利用して服をつくり、それを全世界で地域に根差して販売しています。今回のキャンペーンを通じて、物を大事にすることやごみを出さない生活について会社として伝えていくことが出来ればいいなと感じています。
―― 書籍/活動紹介 ――
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